第2回イラク周辺諸国閣僚会議は19日、トルコのイスタンブールで開かれました。会議はコミュニケを発表し「各国は協力を強め、共同してテロリズムを取締り、地域の安全と安定を維持していくべきだ」と強調しています。
第2回イラク周辺諸国閣僚会議はイラクの安全情勢が絶えず悪化している状況の下で開かれたものです。ホスト国のトルコのほか、イラク、バーレーン、サウジアラビア、クウェート、エジプト、シリア、イラン、ヨルダンの内相と閣僚及び、国連の代表は当日の会議に出席し、現在、イラクの安全情勢や、それによる地域への影響、イラクとその周辺諸国との安全協力などの問題について討議しました。出席者は様々な形によるテロ活動を一致して非難し、イラクの安全と安定の早期回復がイラク及び、その隣国の安全に対する重要なことだと強調しました。
会議を終わるに当たって、コミュニケが発表され、各国はテロ取締りへの度合いを強化し、意志の疎通と交流を強め、テロに関する情報を共有することを強調したほか、国境の整備を強化し、テロリストが関係各国で基地を作り、そのメンバーの召集や訓練、テロ活動の企画、及びそれへの経済的な支持の防止を強調しました。更に、イラクの安全と安定を維持するため、イラクのフセイン前大統領、及び、イラク前政権の指導者に対する裁判を出来るだけ早く行なうよう呼びかけています。また、この会議では、第3回イラク周辺諸国閣僚会議がサウジアラビアの首都リヤードで開き、会議の具体的なスケジュールは各国が討議した後に確定することが決定されました。
イラクのジャブル内相はこの会議の収めた成果に満足の意を示し、「会議はそのすべての議題で合意に達した。そのうち、2つの突出した成果をあげた。その一は、事務局の設置を決定したことだ。その二は、会議に出席した諸国はフセイン氏とその政権の一部の高官に対する裁判を出来るだけ早く行なうことを要求したことだ」と述べました。
今回会議のホスト国のトルコは、長期にわたって、PKK・クルド労働者党反対派武装勢力の襲撃の脅威にさらされています。1984年、PKK反対派武装勢力は大規模な襲撃を起こして以来、すでに、3万人のトルコの住民と兵士が死亡しました。更に重要なのは、現在、まだ、5000人のPKK・反対派武装勢力がイラク北部の山間地帯に隠れています。このため、トルコはイラクがPKK 反対派武装勢力の国境を越える行動への抑制に断固とした措置を取ることを希望しました。
トルコ政府の呼びかけに対し、イラクのジャブル内相は「イラクは如何なるテロ組織を支持せず、その中に、PKK 武装勢力が含まれる。」と述べました。
イランとイラクはシーア派のイスラム教徒の数が絶対多数を占める国です。しかし、1980年代に8年間続いた両国間の戦争によって、100万人が死亡し、この2つの隣国は敵対国となりました。イランのムサビラリ内相は会議で「イラン政府はイラクの主権と領土保全を支持し、イラク情勢の安定に援助を提供するつもりだ」と表明しました。この態度はイランがイラク及び、その他のアラブ周辺諸国との関係を改善する願いを表しました。
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