5年間、20数回の裁判を経て、2002年8月27日、東京地方裁判所は、日本侵略軍細菌戦による中国被害者の日本政府に対する賠償について判決を言い渡し、日本侵略軍が中国で細菌戦を行ったことをはじめて認定し、また、この細菌戦が中国人民に巨大な災難を与えたと認めました。しかし、中国の被害者たちが求めた日本政府の謝罪と賠償の要求を却下されました。中国原告団は直ちに上告しました。
日本政府を正式に訴えてから今日まで、この裁判は8年間かかっています。この8年間、王選さんは自費で中国国内半分以上の地域を実地調査する一方、中国と日本を頻繁に往来して、細菌戦の証拠を一生懸命探しています。また、彼女は講演や座談会などを通して、何度も細菌戦の真相を語り続けています。
調査が進むにつれて、王選さんは時間の緊迫性に気づきました。原告団の180人のメンバーはすべて白髪の高齢者であり、そのうちの26人が8年間続いている裁判の中でこの世を去っていきました。
王選さんと一緒に長年、日本政府と戦ってきた原告団の王培根事務局長は記者に対して、「多くの人は崇山村に来て、この訴訟団に参加したいと王選に言った。しかし、訴訟に参加するには、証拠が必要だ。裁判を起こす目的はこの時期の歴史を明らかにすることだ。しかし、細菌戦の被害者がなくなったら、この歴史が空白になるだろう」と述べました。
王選さんの正義を必死に求める精神は、中国ないし世界の人々を感動させています。南京大学ニュース・メディア学院の学生楊凡さんは、「王選さんの講演を聞いたことがある。王選さんは、人間の命の価値と尊厳さはとても尊いと思っている」と語ってくれました。楊凡さんは、また「王選さんは私たちが尊敬すべき女性だと思う。 長年来、彼女は細菌戦の被害者を支持し、日本政府を裁判にかけている。これには勇気が必要で、一貫して正義を追求も姿勢も必要だ。この長い訴訟の道で、彼女をはじめとする原告団は中国側の被害者の合法的権益と命の尊厳さを保護しながら、日本政府にこの歴史の事実を認めさせた。立派な女性だ」と話してくれました。
今、日本侵略軍の起こした細菌戦に注目する人はますます多くなり、そのうちの一部は王選さんの率いる原告団に入り、細菌戦の調査と証拠収集の仕事に従事しています。
今年7月19日、中国人細菌戦被害者180人が日本政府に対する訴訟は、改めて世界の注目を浴びています。この日、東京高等裁判所は、日本侵略軍細菌戦による中国人被害者訴訟の2審は敗訴にしましたが、王選さんは記者に対して、細菌戦による被害者を代表して日本の最高裁判所に上訴すると語りました。
今回の取材が終ろうとする際、王選さんは、「この事業を絶対にあきらめない。これからずっと続ける。日本侵略軍が細菌戦のような戦争犯罪を起こした。このような罪が処罰されないと、これは人類文明の歴史における永遠の恥だと思う」と語ってくれました。
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