 重慶市は中国西部にある政府直轄の大都市で、ここは山と湖の豊かな風景があり、最も有名なのは重慶料理の重慶鍋料理です。重慶鍋は中国各地の人々が好んで食べるほか、中国に来た外国人も大好きなようです。
重慶市では、鍋料理の店が衣類を売る店と同じくらいあるといわれています。市内の渝中区は鍋料理の店がもっとも集中する地区で、その面積が9平方キロメートルあり、各種の店が3千軒あまり立ち並んでいます。雷鳴さんは今年42歳、普段、仕事がとても忙しく、息子は高校に通っています。家族3人は一週間のうち、2、3日夜は、外で鍋料理料理を食べます。時々週末には、雷さんは親戚、友達を家に誘って、自分がキッチンに入り、鍋料理を作ります。みんなは鍋を囲んで料理を食べながら、日常茶飯事の事柄を楽しく話します。これについて、雷さんは「重慶市で40年以上生活しているが、日常生活で欠かせないものはこの鍋料理だ。親戚や友達と一緒に鍋を囲んで、食べながらおしゃべりすることは、 食欲も出て、気分爽快になる。食卓はいい香りと鍋からの湯気でいっぱいで、生活や仕事の話をして、それは何者ものにも変え難い楽しみだよ」と話してくれました。実際に鍋料理を作るのは非常に簡単です。特製の鍋を炭火の焜炉に乗せて、材料の肉類、各種の野菜を沸騰したお湯に入れて、しゃぶしゃぶとしてからたれをつけて頂きます。重慶鍋の歴史は凡そ16世紀に始まり、定住していなかった船上生活者が長江(揚子江)の重慶港から流行ってきたものです。重慶市の夏は湿度が高く、冬は非常に寒くて、これら長い間、水の上で生活を営んでいた船上生活者は、石の塊の上に鍋をおいて、そして鍋に大量の塩と唐辛子を入れ、値段の安い牛の内臓を煮込んで、しゃぶしゃぶしてから口に入れると、体内の寒気を追い払ってくれます。それから、この食べ方が民間で流行し、今日に至り世界でも名が知られる重慶鍋となりました。
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