7月最後の金曜日。朝から小雨がしとしと降り続く中、北京北西部の山間地帯へ車を走らせて約1時間。海淀区鳳凰嶺風景区にある仏教寺院、龍泉寺に到着しました。中国人の宗教生活をある側面から垣間見ることが目的で行った取材でした。
折りしも、この日は仏教では観音菩薩成仏の日。境内の大規模な法会に続き、昼過ぎから各地の信徒300人あまりが一斉に仏教に帰依する儀式が行われました。
龍泉寺の歴史は、今から千年あまり前の遼の時代に遡ります。しかし、幾たびの栄枯盛衰を経て廃墟同然の状態から再建を始めたのは2004年のことでした。
有志の居士(在家で修行する仏教徒)の寄進で僧侶数人がゼロからのスタートを切りました。寄進者から出された条件は、自分の師匠である学誠大和尚が自ら住職を引き受けることでした。トイレや水源の確保から始まり、仏殿の造営など再建工事はいまも営々と続いています。
わずか10年未満で僧侶の数は60人あまりになり、内外の参詣者は1万人以上に達しています。また、出家に向けての修行や、奉仕活動で長期滞在するボランティアも含めると、寺には常時400人以上が生活しているということです。
一仏教寺院がかくも急ピッチに発展できた背景は?経済の成長で「モノ」は満ち足りた中国で人々の心は何を求めているのか。龍泉寺を一つの窓口にちょっとだけ覗かせてもらいました。
龍泉寺境内の風景
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