夜景を見る場所といえば、小高い丘の上か高層ビルの展望台というイメージがありますが、まっ平らな北京ではそのような場所は多くありません。もちろん、景山公園や国貿ホテルのような有名スポットもありますが、見られる景色は限られています。そんな中、最近、知られざる穴場を見つけました。
住宅ビル屋上から見える国貿のビル群
カメラ雑誌の情報をもとにやってきたのは、北京のビジネス街CBDに近い高層住宅の屋上。CBDの高層ビル群を一望できる素晴らしい場所です。CBDから周辺を撮ることはできても、CBDそのものを外側から撮る場所はなかなかありません。こんな普通の住宅に穴場があるのは驚きでした。
さらに驚いたことに、平日の午後にもかかわらずすでに6人の若者が立派な一眼レフ・デジタルカメラを構えて写真を撮っていました。
夜景を撮るために集まる若者ら
話を聞くと、最年少は16才の高校生。中学1年から趣味でカメラを始め、コンテストの入賞経験もあります。将来の進路を聞くと照れながら、「新聞社のカメラマンのような趣味と仕事が両立できて、安定した職に就きたい」と話します。
また、父親の影響で大学からカメラを始めたという24才の青年は、「親も嬉しそうに作品を見てくれる」、「北京中を歩きまわることに親も応援してくれている」などと、カメラの趣味を通して親との交流が増えたと話します。
親の影響を受け写真を撮るようになった若者
彼らの持っている機材は、いずれも日本円で言えば20万円を超えるもの。もちろん収入の少ない若者が買えるわけはなく、ほとんどが親に買ってもらったものだと言います。子どもがオンラインゲームなどにハマるよりも、体を動かし頭も使って写真を撮る方が子どものためになるという親の考えがあるのかもしれません。
試行錯誤を繰り返しながら夜景を撮る若者ら
日が落ち、CBDのビル街に明かりが点り、美しい夜景が広がると、若者たちはいっせいにシャッターを切り始めました。重い機材を担ぎながら趣味に夢中になる彼らもまた、北京の夜景の一部となって、見る人に感動を与えるに違いありません。(取材・映像:劉 叡)
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