・中日の報道は誤解が誤解を生むことがしばしば
中日の報道には誤解が誤解を生むことがしばしばあると薬師寺さんは感じています。小泉純一郎元首相の靖国参拝、中国製の冷凍ギョーザから殺虫剤成分が検出された「毒ギョーザ事件」、航空自衛隊の幕僚長が論文で侵略戦争を否定……これらの事件を例にして、薬師寺さんは中日の報道は「負のスパイラル」を作っていると話しました。
たとえば、毒ギョーザ事件に関して薬師寺さんは以下のようにコメントしています。
―毒ギョーザ事件についてー
「毒ギョーザ事件は日本で大大的に報道されました。最初、中国と日本は『原因は相手国にあるのではないか』と遣り合いましたが、その後の日本の報道は『中国のほかの食品も危ないのではないか』、『中国の野菜は農薬だらけではないか』とかどんどん広がって行きました。中国はこうした日本の報道を『反中』、『意図的』だと受け止めました。ここに誤解と誤解が繋がった『負のスパイラル』が存在します。(毒ギョーザ事件を)報道した理由は中国批判ではありません。一部のメディアで意図的に問題を大きく取り上げたのは、こうした方が雑誌は売れるし、テレビも視聴率が取れるからです」
中日の報道が「負のスパイラル」に陥らないためには、事実の積み重ねを重視して、互いの穴探しをしないことが必要だと薬師寺さんは話しました。
・中国のメディア関係者にぜひ日本を訪れてほしい
薬師寺さんは中日両国の関係を重視し、両国のメディア関係者が交流し合うことには大きな意義があると考えています。自分の目で見て確かめることが記者にとって重要なことであると薬師寺さんは話します。
「正確な事実を偏らないで忠実に伝える、これが最も大事なことです。事実を伝えるときに自分の主張を混ぜない、事実を事実として伝える、これが大原則です」
講義を聞いた学生たちに、薬師寺さんはぜひ日本を訪れてほしい、朝日新聞を訪れてほしいと語りました。 (次へ)
清華大学から記念品が送られる(薬師寺克行記者=右)
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