中国最大手のポータルサイト「百度」の検索アクセス数で集計したランキングは、中国芸能界の全体の動きが分かる結果を示しています。

　またドラマの新シーズンが始まりましたが、今週の中国で注目度の高い日本ドラマ・トップ３は以下のとおり：

　3位、フジテレビ火曜9時放送『息もできない夏』。7月10日スタートのこのドラマは、離婚後300日問題と無戸籍問題など、普段注目されていない日本の社会問題を取り上げたサスペンスラブストーリー。主演は中国でもおなじみの実力派俳優・江口洋介と、新進気鋭の若手女優・武井咲。中国では公開作品の少ない武井咲ですが、「自然体の演技がとても気に入ってる」「まだ若いけど、印象深い演技を披露したので、これからも期待している」など彼女の演技を絶賛する書き込みが中国のネットに殺到しているようです。

　今シーズン、私が注目しているのもこの3位にランクインしている『息もできない夏』。あまり知られていない離婚後300日問題と無戸籍問題にも触れ、日本の社会問題を取り上げた社会派作品とも言えます。ある日突然自分が「戸籍のない人間」だと知らされた主演の天真爛漫な少女を演じているのは、日本の若手女優、武井咲。フジテレビのドラマで主演をつめるのは初めてです。その相手役に江口洋介、母親役に木村佳乃。そして、昨年１１月に武井の妹キャラクターを選ぶ「ガールズオーディション２０１１」で優勝した小芝風花（こしば ふうか）が実際に武井の妹役で女優デビューを飾ったことも話題となっています。未来へ希望を膨らませる18歳の少女は、つらい真実とどう向き合っていくのか今後もこのドラマに注目していきたいと思います。

　ちなみにこのドラマには、挿入歌としてイギリス出身の話題のシンガー・アデルの曲が起用されています。

　2位、フジテレビ「木曜劇場」『東野圭吾ミステリーズ』。『白夜行』（1999年）や『容疑者Xの献身』（2006年）などの名作で中国のミステリーファンの間でも大人気の東野圭吾原作のミステリードラマで、7月5日から放送されています。今回は、東野作品3作の短篇集『犯人のいない殺人の夜』『怪しい人びと』『あの頃の誰か』の中から、厳選された11作品をベースに、シリアス、ホラー、コメディーといった様々なジャンルのストーリーを集結したオムニバス形式のドラマです。週毎に替わる主演は、唐沢寿明、観月ありさ、反町隆史、長澤まさみ、篠原涼子など豪華な顔ぶれとなっています。中国の東野圭吾ファンを大満足させること、間違いないでしょう。

　1位、1位、大注目のフジテレビ月9枠『リッチマン、プアウーマン』。7月9日スタートの最新月9ドラマが堂々の1位を獲得。ドラマの中のリッチマンとは、若くして時価総額3000億円とも言われるIT企業の社長で、プアウーマンとは高学歴ながら、内定がもらえず就職活動に奔走する女子大生のこと。主役に抜擢されたのは、中国でも大人気の小栗旬と石原さとみ。生活も価値観も正反対の2人が、数々の衝突を繰り返しながらも、お互いを知り成長していく姿を描くストーリですが、ドラマ版『プリティ・ウーマン』として期待されています。今中国で話題となっている「格差婚」「玉の輿婚」の動きにもぴったり合っているので、かなり注目されています。（ミン・イヒョウ）