中国最大手のポータルサイト「百度」の検索アクセス数で集計したランキングは、中国芸能界の全体の動きが分かる結果を示しています。

　今週の中国で注目度の高いTV番組トップ3は以下のとおり：

　3位、江蘇衛星テレビの婚活・出会い系番組『非誠勿擾（冷やかしお断り）』。2010年1月スタート以来、不動の人気を見せています。毎週土、日の2夜連続放送で、男性1人VS.女性24人がお見合いする恋愛バラエティーとして、同じ出会い系番組の中で一番の視聴率を誇っています。いま、中国ではこの番組を知らない人はいないでしょう。

　2位、湖南衛星テレビが制作するバラエティー番組『天天向上（Day Day Up）』。日本の『しゃべくり007』を思わせる湖南テレビのトークバラエティが、遂に2位に急浮上。レギュラーメンバーには、大阪出身の日本人俳優・矢野浩二が入っています。この番組は2008年8月、毎週月曜日から木曜日までの60分番組として放送開始しましたが、2008年9月からは、毎週金曜日のゴールデンタイムの2時間枠に引越しし、更に現在は2時間30分枠になっています。番組の内容は幅広く、ショートコントやゲームを通して、ゲストや観客と一緒に楽しい時間が過ごせるバラエティー番組として、ますます注目されるようになりました。現在、2億から3億人の視聴者がいると言われており、長期にわたって視聴率トップに君臨していた、同じく湖南衛星テレビのバラエティ番組『快楽大本営（ハッピーキャンプ）』と争うほどの人気番組に成長しました。

　1位、全国民が感動するオーディション番組『中国好声音（The Voice of China）』。ダントツ1位は、浙江衛星テレビが送り出すもう1つの力作。バラエティー番組に定評のある湖南衛星テレビを超える勢いを見せています。2010年にオランダで放送されたザ・ヴォイス・オブ・ホーランドが元祖で、アメリカNBCでも2011年4月に放送開始。アメリカでは、審査員にクリスティーナ・アギレラ、シーロー・グリーン、アダム・レヴィーン、ブレイク・シェルトンといった豪華審査員を起用したほか、審査員が率いるチーム対決が見所で、世界中にこのザ・ヴォイス・ブームを呼び起こしました。そして、2012年7月、この番組が遂に中国に登場。気になる審査員は、中国ポップ音楽シーンのトップシンガー、劉歓（リウ・ホァン）、那英（ナー・イン）、楊坤（ヤン・クン）と庾澄慶（ハーレム・ユー）の4人。放送は毎週金曜の夜で、斬新なスタイルが注目され、このところ週末はこの番組の話題で持ちきりです。中国で人気が落ちているといわれるオーディション番組ですが、この番組のおかげで、オーディションフィーバーが再びヒートアップする形となりました。

　この番組といえば、審査員が率いるチーム対決の駆け引きやユーモアたっぷりのトークがとても面白いですが、なにより魅力的なのは、この番組のトレードマークともいえる「ブラインド・オーディション」です。審査員は出場者の顔を見ず、声だけで判定する形式で、まさにこの番組のタイトルどおり、人の外見は関係なく、「ザ・ヴォイス」＝歌唱力だけで勝負する番組ですね。

　7月から始まったこの番組の中国バージョン『中国好声音（The Voice of China）』ですが、今週で3回目が放送され、注目度がグッと上昇し、視聴率ランキングでダントツ1位に輝いています。また、今までのオーディション番組とは違い、「ブラインド・オーディション」の参加者はいずれもたくさんの応募者から厳選された人で、この番組の専門性をより高めています。参加者はステージで曲を披露するだけでなく、音楽との出会いや出場までのエピソードなども映像で再現され、そんな彼らの夢を追いかけるがむしゃらな姿が視聴者に感動を与えています。現在は、「ブラインド・オーディション」の真っ最中で、今後はチーム対決などさらに3段階を経て、視聴者の投票で優勝者を決めることになっています。初めて中国に登場するこの『中国好声音（The Voice of China）』、初の優勝者はいったい誰でしょうか。毎週金曜日、この番組に注目していきたいと思います。

　ちなみに、この番組はインターネットの動画サイトで再放送されているので、興味のある方はネットでチェックしてみてください。（ミン・イヒョウ）