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桃花の物語

2015-04-24 16:03:11     cri    

ナビゲーター 黄競

 春がきて、草は若々しく色付き始め、木蓮の花や桃の花、梨の花が次々と咲き、春の大地はカラフルな衣裳をまとったようです。中国では桃の花と言えば、美人や愛情それに桃源郷など美しいものが思い浮かびます。また、桃の花に関わる詩や音楽作品も多くあります。今回の中国メロディーは桃の花に関わる音楽をご紹介しましょう。

桃花~恋愛運の花

 毎年4月頃、春風が北方の大地に吹き渡る時、桃の花が一早く春の便りを告げてくれます。その5枚の花弁からなるピンク色の花はまるで子供の可愛い笑顔のよう、風が吹く度に、揺れる桃の花はまるでたくさんの天真爛漫な子供が楽しくワルツを踊るようです。

 古来、中国では「桃花(桃の花)」と言えば、男女の恋愛のことを指しました。「桃花運(桃の花の運)」が訪れたというと、恋愛の時期がやって来たことを意味します。 これは春の訪れとともに咲く桃の花のように、ロマンスは可憐で香しいということなのでしよう。そのため、春に桃の木の下を回ると愛情運に恵まれるという言い伝えがあります。

人面桃花相映じて紅なり

 桃の花は昔から女性と深い縁がある花とされます。日本では桃の花がひな祭りのシンボルになっていますが、中国では桃の花で美しい娘を讃える詩が多く残されています。唐の詩人崔護が書いた七言絶句「題都城南荘」 は桃の花を歌う詩の中で特に有名です。

 

 この詩には作者の切ないラブストーリーがありました。ある春、詩人崔護は郊外に散歩に行きます。そこは風光明媚、桃の花が咲いています。その時、喉が渇いて、水が飲みたくなりました。そこで、一軒の農家の門を叩きます。すると、綺麗な少女が門を開けました。この少女は彼を見て、頬を赤く染めました。その姿は桃の花のよう。彼は少女の家で水を飲み、そのまま別れました。一年後、この少女のことを忘れられず、その家を訪ねました。でも、残念なことに、少女はすでに病気で亡くなっていました。悲しみにくれ、この詩を書きました。「去年の今日此の門の中 人面桃花相映じて紅なり 人面今何れの処にか去る 桃花旧に依り春風に笑む」桃の花を讃える詩として千年にわたり、今にで広く伝られています。

魂の奥底の桃源郷

 桃花と言えば、東晋の名詩人陶淵明の「桃花源記」が思い浮かびます。「桃花源記」の中に描かれた桃源郷は美しい景色の中、人々がゆったり暮らし、世の中が平和で、誰もが憧れる人間の天国。この桃源郷が現実の世界のどこにあるかについて専門家たちの意見はそれぞれ違います。現実の桃源郷が地上のどこにあるかは別として、すべての人の魂の奥底に1つの桃源郷が存在しているのではないでしょうか。この桃源郷は私たちの心に大きな慰めを与えてくれます。この桃源郷を大切にしてこそ、真の幸せを得ることがきると思います。

番組の中でお送りした曲

1曲目~ 桃花運(とうかうん)

 この唄は男女デュエットのラブソングです。

歌詞:

 風が吹いて桃の花が咲き

 カササギが賑やかに鳴く

 果樹園のお兄さんよ 

 「桃花運(愛情運)」が良い

 姉妹3人は彼が好きで

 一番上の姉さんは彼の立派な風貌が好き

 2番の姉さんは彼の賢さが好き

 末の妹は彼の勤勉さが好きだ

 ああ、「桃花運」が良い、

 みんな彼の嫁になりたい

2曲目~桃花紅杏花白(桃の花は赤く、杏の花は白い)

 この唄は山西省の民謡を元にアレンジしたものです。

3曲目~桃花源(とうかげん)

 歌は心の中の桃源郷を称えます。

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