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異なる色の花火~張国栄(レスリー・チャン)【後編】

2015-04-04 16:50:23     cri    

 レスリー・チャンは一時代を築いた香港スターで、音楽界でも映画界でも素晴らしい貢献をしました。彼は聡明でハンサム、豊かな感性も持ち合わせていながら、努力家で誠実さと繊細さを兼ね備えています。こんなレスリーは鬱病にかかり、2003年4月1日に自ら命を断ちました。その華やか且つ悲劇的な生涯は今でも話題となります。毎年4月1日、彼の命日になると、各地のファンはさまざまなイベントを行い、レスリーを記念します。今回の中国メロディーは、引き続きレスリーの歌をお届けしましょう。

芳醇な美酒のような歌声

 レスリー・チャンは香港芸能界の有名な美男子で、顔は玉の如く白く、まるで彫刻家が心を込めて刻んだ芸術品のようです。その肩で風を切って歩く姿はとても垢抜けています。そんなレスリーはルックスが美しいだけでなく、才能も豊かで、映画では役になりきり、歌を歌えば、彼の声はとても聞きやすく、その独特な低音は温かみがあり、重厚な響きが魅力です。まるで長年にわたって醸造された美酒のようで、芳醇な味わいと深みがあります。レスリーの歌は中華圏だけでなく、アジア各国で高い人気を博しました。ドラマ『星から来たあなた』で人気沸騰中の韓流女優チョン・ジヒョンも、レスリーを心の中の最愛のスターとしています。

偉大な俳優

 レスリー・チャンは2000年から歌謡界に別れを告げ、アーティストとしての才能を生かし映画界で活躍し始めます。その中で、2003年に上映された陳凱歌監督の映画「覇王別姫(さらば、わが愛)」はレスリーの芸術における生涯の中で最も重要な映画になることは疑いがありません。レスリーはこの映画でアイドルから偉大な俳優へと成長しました。映画は、日中戦争や文化大革命などを背景に、時代に翻弄される京劇俳優の段小楼や程蝶衣の目を通して近代中国の50年間を描きました。この映画の中でレスリーは女形の蝶衣を演じ、段小楼を愛しながらも、その愛を得ることができず、苦悩する心境を生き生きと演じました。レスリー・チャンの匂い立つ色気と妖気は女よりも女らしく印象的です。この映画は世界で大ヒットし、第46回カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞しました。

 陳凱歌監督は「レスリーがいなければ、この映画は完成しなかった。レスリーは偉大な俳優。彼は芸術において完全無欠の境地を追求した。彼の優秀さや成果は、中国人の誇りだ」と話しました。

 しかし、映画のヒットに伴い、映画で同性愛者を演じるレスリーが現実においても同棲する伴侶が男性であることは一時期ホットな話題となりました。世の中の非難と皮肉を込めた冷たい言葉を受けながらも、レスリーは大胆にも自分の愛情を公開し、自分の心にまっすぐに生きる誠実な態度は多くのファンの尊敬の眼差しを受けました。

神様から賜った宝物

 レスリーは、歌手や俳優としてはもちろんですが一人の人間として尊敬されています。香港の芸能界で最も人情を重んじるスターと讃えられます。毎回、レスリーの巡回公演が終わった後、100人近くのスタッフはみなレスリーが自ら用意したプレゼントをもらい、「ただものとしてのプレゼントであるだけでなく、レスリーの気持ちが込められている」とスタッフたちは感動しながら話しました。「もし、その素晴らしい才能と比べたら、彼の美貌は論をまたない。もし、その素晴らしい人柄と比べたら、彼の才能は論をまたない」という評価されています。

 レスリーは2000年に「我(僕)」をリリースしました。この歌は彼が周りの非難にものともせず、自分を貫く人生における態度を表しました。彼はそれまでの人生の中で芸術においては完璧を求め、自分の心にはまっすぐに生きてきました。でも、そんなレスリーは命を断つ1年前、鬱病にかかりました。彼のマネージャーはその時を振り返り「病気になる時、彼は非常に苦しんでいて、身体がまるで引き裂かれるような思いをしていた」と語ります。2003年4月1日、鬱病の苦しみに疲れたレスリーは自分の命に終止符を打ちました。彼と仲の良かった作曲家・黄霑は「レスリーは神様から賜った宝物で、最も輝かしい時に神様が彼を連れてきた」と話しました。

 12年経っても、レスリーの横顔は今も多くのファンの胸の奥で輝いています。これは大スターレスリーの背後にある人間的な魅力によるものですね。

 番組の中にお送りした曲

1曲目 左右手(左手と右手)

歌詞:

何故君が僕から離れるのか

何時君と替わる人と出会うのか

僕の身も心も君しか欲しくない

君が何故君が僕と別れるのか

君を抱くのに慣れていたこの両手

君を失うことを恐れて震えている

2曲目 当爱已成往事(愛は既に過ぎ去った昔のこと)

  歌は映画『さらば、わが愛 覇王別姫』の主題歌です。

歌詞:

過ぎ去った昔のことは言わないで

人生の風雨が多すぎて

たとえ過去の記憶を取り除いても

愛と恨みは依然として心に残っている

過去を捨てて

明日を生きていく

3曲目 我(僕)

歌詞:

I am what I am

僕は何時でもこういう僕を愛し続ける

楽しいのは楽しいやり方

幸運なことに誰もが神様からの贈物

逃げる必要はない

僕の好きな暮らしのために生きよう

飾り立てる必要はない

光がさす片隅に立ち

僕は僕

異なる色の花火だ

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