テレサテンの悲恋　 　

　テレサテンは1970年代から1990年代にかけ、アジアを代表する中国台湾の歌手でした。43年という短い生涯。中華圏では「華人の居るところ、必ずテレサ･テンの歌声がある」とまで言われるほどの人気でした。

　順風満帆の歌手人生と、プライベートでの苦悩。人生に深く刻まれる恋愛が３度あったといいます。今回の中国メロディーはテレサテンの恋とラブソングの話をしましょう。　

　初恋

　1971年、18歳のテレサテンはマレーシア首都、クアラルンプールで公演しました。そこで、5歳年上のマレーシア華僑実業家、林振発さんと出合います。当時、乗馬に夢中だった彼女は、素晴らしいアマチュア騎手だった林さんと意気投合し、お互いに惹かれ合いました。

　2年後、彼女は日本での活動を開始し、2人の時間は減っていきました。数年後、先天性心臓病を患っていた林さんが33歳の若さで亡くなりました。突然の出来事は、彼女の心に深い傷を残しました。