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舞台の女王〜蔡琴

2014-05-09 19:57:00     cri    

 蔡琴は中国台湾の有名なフォーク歌手です。1970年代にデビューし、40作を超えるアルバムを出しています。中華圏のバーブラ・ストライサンドと呼ばれる、蔡琴の唄を今回も引き続き紹介しましょう。

不安と危機

 蔡琴は幼いころ、声が低く、引け目を感じていました。21歳の時、初めて歌謡コンクールの舞台で深く、潤いのある歌声を披露。一躍、歌謡界の新星となりました。1984年、人気の高まりとともに活動も広げ、映画「青梅竹馬(幼馴染の恋人)」に出演。これをきっかけに、この映画の楊徳昌監督と翌年結婚しました。

 しかし、喜びには苦しみも伴いました。結婚後、夫は「事業を発展させたい」とプラトンのような精神的な愛を求めます。不安と危機が常に伴う結婚生活。夫への愛を強く信じた彼女は夫の意見を無条件に受け入れ、夫の映画事業のために献身的に尽くすことで喜びを得ました。 

別れと挫折

 1995年、蔡琴の支援の下、夫の楊監督の映画事業は全盛期を迎え、台湾でも評価の高い名監督となりました。ところが突然、彼女に離婚を持ちかけました。女性ピアニストとの恋愛が原因でした。さらに彼女に追い打ちをかけるような変化が生まれます。レコード業界も大きな転換期を迎え、これまでにない挫折を経験するのでした。最愛の父もこの世を去りました。

 別れと挫折。度重なるショックを乗り越え、その歌声も新たな魅力を放ちます。まるで母のような温かさを感じると評されました。

人生の再スタート

 1998年、40歳になった蔡琴はミュージカルに挑戦しました。当時、彼女は映画「アルゼンチンよ、泣かないで」に感動し、ミュージカルを制作することを決意しました。さらに、劇団と連携して「天使不夜城(天使の不夜城)」、「淡水小鎮(淡水の町)」などのミュージカルを制作し、中華圏で公演。大成功を収めました。

 音楽評論家はこう評価します。「蔡琴の歌は何年も寝かせた美酒ようで、その味は濃厚で美味しい。哀愁をおび、ロマンチックに溢れ、特に女性の心に訴えるものがある」。

青春は終わらない

 蔡琴は今、56歳。芸術の舞台では未だ青春を保っています。秘訣について彼女はこう話しています。「音楽の役割は心を癒すことにある。人生いろいろな経験があってこそ、いかに聴く人の心に伝えるか、いかに人の心を癒すかがわかるようになる。もし、過去の苦しい経験がなければ、今の蔡琴もいないことでしょう」

 

 番組の中でお送りした曲

 1曲目 妳的眼神(あなたの目付き)

 蔡琴の代表曲「妳的眼神(あなたの目付き)」はそんな微妙な乙女心を歌に託しています。

 歌詞

 まるで小雨が

 心の中に降るよう

 あの不思議な感覚

 貴方の目つき

 こんな明るくて美しいのに

 2曲目 緑島小夜曲(緑の島セレナーデ)

 歌詞の中にある緑の島は台湾島を指しています。

 歌詞

 緑の島よ

 小舟のように

 月の光の下に揺れる

 娘よ

 君のシルエットが

 私の心の中に映る

 歌声よ

 そよ風に乗せて

 君のカーテンを開けてくれ

 3曲目  機遇(機会)

 この曲は蔡琴が出演したミュージカル「淡水小鎮(淡水の町)」の一部です。平凡な女性が愛情に憧れる心を描きました。

 4曲目 如夢令(夢の如き令) 

 宋の時代の詩人・李清照の詩をモチーフにしたもので、古典とポップス音楽をうまく融合させた曲です。夕方、少女が船に乗って家に帰る情景を生き生きと描きました。

 常に渓亭の日暮を記す

 沈酔し帰路を知らずを

 興尽きて 晩きに舟を回す

 誤まりて藕花の深き処に入る

 争でか渡らん

 争でか渡らん

 驚き起つ 一灘の水鳥

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