リス族
20131108中国旋律
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ナビゲーター 黄競
11月中旬、北京の秋は一段と深まり朝夕はめっきり冷え込む様になりました。風に舞う落ち葉は冬が一歩ずつ近づいている気配を感じさせますね。今回の中国メロディーは中国少数民族の秋の祝日と音楽・南方地方編をご紹介しました。
リス族の新粟祭り
10月の下旬に東北地方が冬に入り初雪を迎えていた頃、雲南省や貴州省などの南国地方には初秋の足音が近づいていました。秋風が南国の水田を吹き渡り、大地が黄金色に染められます。トウモロコシやモミ、梨が黄色くなり、栗やクルミの実が大地に落ちて、鳥たちも収穫の歌を歌います。
この季節になると雲南省西北部に暮らすリス族の人々は収穫の喜びに胸を膨らませて金色の粟を収穫し始めます。リス族は、粟を炊いたらまず、自分たちは食べずに飼い犬に食べさせる習わしがあります。これはリス族の古い伝説に由来するそうです。昔、犬はあらゆる苦労を尽くして、はるか彼方から三つの粟の種を人間に持ってきました。その後、人間は粟を栽培し始めます。犬の労に感謝するため、リス族の人々は毎年、収穫した粟をまず犬に食べさせます。また、新粟祭りを祝います。祭りの夜、みんながたき火のまわりに集まり、お酒を飲んだり、歌を歌ったりして徹夜で祝います。
リー族のカガ会
中国南部に位置する海南島は台湾島に次いで中国第2の大きな島です。ここに住むリー族は毎年の秋、穀物を収穫した後、カガ会、つまりバンブーダンスを踊り豊作を祝います。
秋の夕方、リー族の若い男女は村の広場のかがり火に集まり、バンブーダンスを踊ります。若者たちは竹を打ち付けるリズムに合わせて踊ります。周りの人々はその精彩溢れる踊りに「カガ、カガ」と喝采を送ります。カガ会とはこの掛け声から、付けられたそうです。また、カガ会はリー族の若い男女が結婚相手を探す絶好のチャンスとなります。バンブーダンスが上手な青年と娘はもちろんとても人気があります。
コーラオ族の牛王祭
コーラオ族は中国西南部の貴州省に暮らし、地元の人々は代々、米作りを主な生業としてきました。そんなコーラオ族は毎年旧暦の10月1日に牛王祭を行います。牛王祭は農耕用の牛の神様を祭るお祭りで、牛の稲作りへの貢献に感謝の意を表す意味があります。また、この日を牛の神様の誕生日としても祝います。
この日にコーラオ族の人々は農耕用の牛を充分に休ませるだけでなく、牛小屋をきれいに掃除したり、一番いい餌で牛をもてなしたりして、牛の神様の誕生日を祝います。
ミャオ族の牯蔵祭
中国西南部貴州省の山間部に暮らすミャオ族は毎年旧暦の10月に、祖先を盛大に祭る牯蔵祭を行います。ミャオ族の伝説では祖先は東方から来たとされています。祖先たちは多くの戦争や移動を経て沢山の経験と知恵を積み重ねてきました。ミャオ族の人々は、敬虔な気持ちで祖先や先人を祭ってこそ、祖先が子孫を護ることができると信じています。ですから、年に一度のこの牯蔵祭はミャオ族の最も大事な祝日とされています。
ミャオ族の叙事詩「創世歌」によると、この祖先を祭る祭礼の歴史は今から1000年前に遡ると記述されています。また、祖先祭りのイベントは非常に豊富で、中でも闘牛とロショウ会は最も人気があります。ロショウはミャオ族の伝統楽器で、笛の一種です。祝日にミャオ族の人々はロショウのコンテストを開き祖先を祭り、五穀豊穣と家畜の健やかな成長を祈ります。
番組でお送りした曲
1曲目 酒歌(酒の歌)
リス族の民謡「酒歌(酒の歌)」です。リス族の人々がお客さんにお酒を勧める時に歌う歌です。
2曲目 山歌(山歌)
リー族の方言で歌われているこの民謡は、歌詞の意味はよく分かりませんが、リー族の歌手の純粋で素朴な歌声がなんとも美しいです。
3曲目 情姐下河洗衣裳 (娘は川辺へ洗濯へ)
コーラオ族の民謡です。
歌詞
小川がさらさらと流れ
彼の姿が川の中に映える。
娘は川辺で洗濯するよ
飛び散るしぶきが彼の服を濡らすから
娘は慌てふためいた。
4曲目 欢腾的苗山(楽しいミャオ族の村)
ミャオ族の民謡です。曲はミャオ族の人々が祝日を祝う喜びを表しました。
歌詞
ミャオ族の村は美しい。
画眉鳥が楽しく鳴いて
かささぎはハハハと笑う
娘の歌声も美しい。
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