20131018中国旋律
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ナビゲーター 黄競
10月の中旬、古都・北京は毎日が小春日和のように穏やかで暖かいです。この時期、香山の紅葉や、北海公園の枯れた蓮の葉、蘆溝橋の秋の月など、あちこちで秋の気配が感じられます。さて、今回の中国メロディーは北京の秋の美しい景色と音楽をご紹介しましょう。
古都・北京の秋を味わう
北京は中国の首都であり、世界でも有名な歴史文化都市です。その歴史は、2400年前の春秋戦国時代までさかのぼることができます。北京は過去800年ほどの間、金、元、明、清などの歴代王朝の都として発達し、歴史的な旧跡や文化財が数多く残されています。
北京の秋と言えば、西山の紅葉はもちろん、リンゴ、葡萄、梨などの様々な果物も秋の香りを漂わせています。また、甘栗や煎った落花生、胡桃なども食欲をそそる香りを放ち、北京の秋はまるでマジシャンのポケットのようです。
香山の紅葉
北京の秋を代表するものといえば紅葉です。中でも、香山の紅葉狩りは最も有名です。北京市の西北郊外に位置する香山は頂上の岩石が香炉に似ていることから、この名前が付けられました。歴代の皇帝はここに離宮を建築しました。美しい景色は、四季折々の姿が楽しめます。特に毎年10月中旬から11月上旬にかけて、香山は紅葉で真っ赤に染められ、赤い絨毯が敷かれたようになります。北京で秋の景色が一番美しいところと言われています。
盧溝橋の秋月
北京の秋の美しい景色といえば、いつも「盧溝橋の明月」が取り上げられます。盧溝橋は北京で現存する最も古い石造りの橋で、今から800年前の金の時代に、北京西南の永定河の上にかけられました。抗日戦争勃発の地として歴史的にも有名です。マルコ・ポーロの「東方見聞録」の中で世界でもまれに見る美しい橋と紹介されています。
秋になると永定河の畔の夜は涼しくなり、風が黒い雲を吹き散らして、夜空には明るい月と数え切れない星がはっきりと見えます。盧溝橋から見る素晴らしい夜空は古い北京の八大景観・燕京八景の一つとなりました。現在も中秋の名月の夜には、多くの市民が盧溝橋へ月見に訪れます。
四合院の秋の花
皆さんもご存知のように、四合院は北京の伝統的な民家で、今でも多くの庶民が住んでおり、北京の秋を一番味わうことができると言われています。秋、四合院は庭に植えられた色とりどりの朝顔で美しく彩られます。庭に座りお茶を飲みながら、青空を旋回する白い鳩を眺めたり、鮮やかな朝顔を鑑賞すれば、北京の秋の独特な情緒を楽しむことができます。北京の美しい秋はこの青空と花の中にあるのです。
・番組の中でお送りした曲
1曲目 故郷是北京(故郷は北京)
京劇や北京の民間芸能・京韻太鼓などの音楽素材を取り入れ、北京の歴史的名所と現代都市の風貌を描き、北京の人々の故郷への思いを表しています。
歌詞:
東西南北をどこもまわり、多くの名城にも行った。
でも、やっぱり北京が一番好きだ。
天壇の明月や北海公園の風はもちろん,
盧溝橋の(石)獅子、潭柘寺の松も有名だ。
赤い塀と黄色の瓦で飾られた太和殿は歌いつくせず、
紫藤や古い槐の木、四合院を見るだけで、
愛情豊かで爽快で、甘美な都の味わいがある
2曲目 满山红叶似彩霞(霞のような山一面の紅葉)
映画「山一面が紅葉になる頃」の挿入歌です。歌詞の中に出てくる三峡は中国南部揚子江中流地域の名所です。
山一面の紅葉は霞のようで
紅葉が年々三峡を赤く染める。
紅葉がいかに美しくとも、
山にいる娘には叶わない。
3曲目 北京的橋(北京の橋)
1990年代の流行歌で、当時の北京でインターチェンジなど都市インフラ施設の建設が推進され、都市の姿が大きく変貌することを歌いました。
4曲目 四合院(四合院)
四合院に住む北京庶民の生活スタイルを徐華が歌いました。
歌詞:
我が家は四合院にあり。
余り広くはないけれど
沢山の隣人は皆、お喋りが好きで賑わっている。
木陰では、三々五々にかたまって納涼し
子供は路地で
ママが呼びに来るまで遊ぶ。
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