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秋のソナタ

2013-09-06 15:47:08     cri    


ナビゲーター 黄競

 9月に入ってから、日中は暑いものの朝晩に肌寒さを感じたりします。夜にはひんやりとした風と一緒に、コオロギや鈴虫など秋の虫の鳴く声が聞こえ、確かな秋の訪れを感じさせてくれます。虫の声のほかに、秋風が麦畑を吹きわたる音や落ち葉の音、それに秋の空を横切って南へ飛んでいくツルや雁の、響き渡る声など多くの音が美しいソナタを奏でています。

コオロギの合唱

 夏の終わりの夜、草むらからコオロギの美しい鳴き声が聞こえると、いよいよ秋のコンクールの始まりです。耳を澄ませてみてくださいね。コオロギたちの清らかな鳴き声はまるで澄み渡った空のように美しいですね。そのひっきりなしに鳴く「ジージー」という声は秋の名月や野原、それに美しい自然を讃えているようです。

 コオロギたちの美しい歌声は、喉から発するのではなく、羽をこすり合わせることで奏でられています。雄のコオロギは懸命に羽をこすり、美しいラブソングを奏でながら相手を探します。

「天才歌手」秋蝉

 蝉は秋の虫の中の最も素晴らしい歌手と言われています。その歌声は夏の情熱を持ちながら、秋の成熟に溢れいてます。秋に入ってから、蝉の鳴き声はだんだん少なくなります。でも、その快晴の空に響き渡る歌声はまったく秋の寂しさを感じさせません。かえって光陰を惜しむ気持ちを味わうことができます。何回か秋雨が降った後、蝉の歌声がカーテンコールを迎える時がやってきました。木の枝には黄金色の抜け殻だけが残されます。これはこの天才歌手たちが来年の夏に再び熱唱することの証しでしょうか。

「悲秋の詩人」秋の雁

 毎年、もみじが赤く菊の花が黄色くなる時に、秋空を横切って南へ飛んでいくツルや雁の響き渡る声は人々に秋の淋しさを感じさせます。中国ではオオカリが南へ飛んでいくことは秋が深まることを意味します。多くの文人が秋の雁を描く歌を創作しました。その中で唐の李白の詩『宣州の謝朓楼にて校書叔雲を餞別す』の中にはいくつもの名句が今でも伝えられています。特に「長風万里送秋雁 対此可以酣高楼(万里の彼方から吹く風が秋の雁を吹き寄せる。この淋しさに耐えるには高楼で飲むしかあるまい)」という句が特に有名です。秋の淋しい風景をうまく表現しています。

「秋の演奏家」秋風

 もし、秋の虫と雁がコンクールの素晴らしい歌手ならば、秋風は素晴らしい演奏家と言えます。秋風が収穫を迎える麦畑を吹きわたる時、麦嵐は豊作の歌を奏でます。秋風が小川を吹きわたる時、川の水が「ザーザー」と軽快な歌を歌います。秋風が木の梢を吹きわたる時、ひらひら舞う落ち葉は秋の舞曲を奏でます。

番組の中でお送りした曲

 1曲目 「蟋蟀合唱(コオロギの合唱)」

 この童謡は父さんコオロギ、母さんコオロギ、兄さんコオロギと、コオロギ家族の鳴き声を真似て、子供たちの美しい世界を描きました。

 歌詞

 コオロギたちが草むらの中で

 リンダンリンダンリン

 兄さんコオロギがリンダンリンダンリン

 弟コオロギがリンダンリンダンリン

 ひっきりなしに鳴いている。

 父さんコオロギがリンダンリンダンリン

 母さんコオロギがリンダンリンダンリン

 月の光が明るく輝いている。

 2曲目 「秋蝉(秋の蝉)」

 歌詞

 花が落ちて

 紅葉が赤くなる。

 オオカリが南へ飛んで行き

 私の薄い服で残りの冬を過ごせるか。

 春が過ぎ去って、夏も過ぎ去って

 秋が深まっている。

 3曲目 鴻雁(オオカリ)

 内蒙古自治区ウラト草原に伝わる民謡を元に作られた歌です。蒙古族の人々の故郷への深い愛情を感じさせます。

 歌詞は

 オオカリよ 

 空を並んて飛んでゆく。

 川の水は長く

 草は黄色く色づき

 馬頭琴の悲しい音色が草原に響き渡る。

 オオカリよ 

 南方へ飛んでゆく。

 葦原の上 蒼茫の空

 オオカリがどこへ行っても

 北方の故郷が心の中に残る

 4曲目 秋夢(秋の夢)

 歌は「民謡の女王」と呼ばれる蔡琴です。彼女の歌は、優雅でどこか哀しげな余韻を薫らせます。そのごまかしのない歌声で、 秋の淋しさをうまく表現しています。

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