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銅の都、安徽省の銅陵を訪ねる

2010-10-21 14:19:25     cri    

 金牛洞古採鉱遺跡のすぐ側に「相思川」という細い川が流れています。春秋時代、採掘された銅の一部は、船に乗せられ、この「相思川」を流れ、そして4つの川を経て、やがて長江へと運ばれ、時の都まで運ばれました。当時は、この銅の取引により富を得た、鉱山王が何人もいたといいます。

 青銅器は、時代を経ることに、酒を入れる器、スープを煮炊きする器から、祭りのための祭礼器へとその使用目的も変わっていきました。周の時代、当時の王が異民族制圧の記念につくらせた鐘があります。やがてこの鐘をいくつも連ねた「編ショウ」という楽器がつくられました。祭祀の時、この編ショウで音楽が奏でられたといいます。

 この古代の音楽を再現してくれるのは、江南文化園にある銅官府と呼ばれるレストランです。江南文化園は、市内の湖、天井湖のほとりにある、レストラン、ホテルが立ち並ぶ観光スポットです。この中のレストラン銅官府は私たちに古代の夢をみさせてくれます。

 レストランは、大きな宴会場のようになっており、前方に「編ショウ」や琴が置かれ、中央部分は広く空けられています。客は、左右に分かれて座ります。テーブルはふみ机のような高さで、いすは四角い背もたれのない椅子です。テーブルの上には、メニューが書かれた竹、鳳凰をかたどった燭台(しょくだい)が置かれています。全ての調度品が、古代のものを再現したものだそうです。こげ茶色で統一された調度品が、やや暗めのライトの中でにぶい光を放っています。

 食事が始まると、「編ショウ」の演奏が始まり、その奏でる音楽に合わせ、古代衣装を身に着けた女性が踊りを披露します。ぼんやりとした明かりの中、銅の深い響きを聞きながら、ゆっくりと舞う女性をみていると、お酒も飲んでいないのに、意識がぼんやりとし、なんだか古代中国へタイムスリップしたような気持ちになります。

 さて、食事を楽しんだ後は、すばらしいティータイムが待っています。この江南文化園では、船に乗りながら、お茶を飲むことができます。

 この湖は、湖の中央に井戸があることから、天井湖と呼ばれています。食事を終えた人々が次々と船に乗り込みます。テーブルには、蓋付きの茶碗と、お茶菓子が用意されています。人々は、船がゆっくりと湖を周遊する間、お茶を飲みながら、おしゃべりを楽しみます。ここは現代らしく、カラオケもできるようになっています。江南文化園は、現代的な施設ながら、古代中国の雰囲気をじっくり味わうことができる場所なのです。

 最後に銅の都、銅陵市のとっておきのお土産をご紹介しましょう。銅陵市は、今も銅の工芸品を数多く作り、海外にも輸出しています。動物をかたどったものや、古代の青銅器のレプリカ、銅鏡など多くのものがありますが、ひときわ目をひく人形があります。男の子と女の子、二人の子どもが組み合わさった人形です。しかし、ころんと90度、回転させると二人だった子どもは4人になります。この人形は「四嬉人形」といいます。

 銅製品を販売する、銅市場のサービスマネージャーの張屏さんが、この人形の由来を教えてくれました。

 「1970年代、現地では清の時代の文物と見られるこのような青銅器の人間が出土されました。一見2人の子どものようですが、角度を変えてよく見ていますと、実は4人です。そのため、「四嬉人形」とよばれるようになりました。この文物は製作の発想が奇妙で、製作の質も高かったため、銅陵のシンボルとなりました。2人にしろ、4人にしろ、男の子と女の子が遊んでいる元気な姿が人々に魅了します」(張屏さん)


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