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新疆の茶文化

2009-05-28 10:53:13     cri    

 中国のお茶の歴史は紀元前までさかのぼるといわれています。中国西北部の新疆ウイグル自治区に暮らしている少数民族の茶文化は、中国の茶文化の重要な一部分となっています。黒茶やミルク茶、ジャスミン茶、薬用茶はここの人々の生活に欠かせないものです。お茶を1杯飲めば、暑い夏は気分が爽快になり、冬は体を温めることができます。

 新疆はお茶の生産地ではありませんが、昔はシルクロードの要衝だったために茶の流通量が増加し、お茶を飲む習慣も人々の生活に溶け込んでいきました。  

 新疆では、一日食事をしなくても、お茶は飲まなければならないといわれています。このことからも、生活におけるお茶の重要性がわかります。

 新疆の少数民族、特に遊牧民と農民の食事は主に、牛や羊の肉と乳製品となっていますが、お茶は、消化にいいだけでなく、油っぽさをなくしたり、ビタミンを補うことにも役立ちます。これについて新疆ウイグル自治区茶文化協会の秘書長李媛さんは、「昔から、貴族や庶民も、茶を飲むことを重視しています。ウイグル族の茶文化は日本の茶道と比較することもできます。過去、地元では、貴族の家では、お茶の葉を入れる袋は必ず、地元で力のあるおばあさんによってつくらなければなれませんでした。そして、お茶の葉を入れた袋は必ず、頭より高いところに置くことにしました」と話しました。

 お客さんにお茶を出すとき、尊敬の意を表すため、お客さんの目の前で、茶碗を一度洗い、この茶碗を洗った水を自分の茶碗に入れて飲んでしまいます。李媛さんの話では、お茶をいれる方法は非常に細かく、しかも大事にされています。さらにお茶を飲むときも、茶碗にふたをかぶせ、ふたがなければ、手で茶碗の上を覆うという習慣があります

 新疆の少数民族の家、特にお客さんが来るのを喜ぶウイグル族の家では、お客さんをもてなすために、おいしい羊肉料理やヨーグルトをつくります。そして、食事の後、主人は熱いお茶を入れて飲ませます。熱いお茶を飲むと、体全体がほっとします。

 新疆地区では、多くの人がプーアル茶のように茶葉を発酵させた茶の黒茶を飲みます。ここに生活しているウイグル族、カザフ族、蒙古族などの少数民族には独特の茶文化があります。

 新疆南部のカシュガルやホタン(和田)一帯では、こんな方法が民間に伝わっています。それはフーチャ(茯茶)に、ライラック、桂皮、ウイキョウなどを入れて飲むというものです。これはウイグル茶と呼ばれています。

 李媛さんの話によれば、ホタンでは、どの家にも茶壷と地元の高齢者によって作られた薬茶を用意してあります。この薬茶は少し辛いものですが、風邪の予防に効果があるそうです。

 ホタンの人は平均寿命が長く、これは薬茶が関係しているのではないかといわれています。昔、ホタンにお茶が入ってきた頃、地元で薬品として、地元産の植物や鉱物と一緒に混ぜて、ストレスの解消や、解熱、酒の酔いを覚ます、といったことなどによく利用されていました。

 新疆タリム川と孔雀川沿岸地帯で人々に愛用されているラフマ茶は高血圧の予防や治療に効果的なもので、すでに1000年余りの歴史があり、健康維持に特別な効能があり、目まいや咳を止めることにも効果があるそうです。

 ラフマ茶は新疆産のもので、環境汚染の影響を受けておらず、新疆の宝と呼ばれています。

 新疆の住民はまた、バラの花などを使ったお茶を愛飲しています。

 2002年、新疆ウイグル自治区は茶文化協会を設立し、お茶に関する知識の普及や茶芸などの指導を行い、新疆少数民族の茶文化の発展に積極的に着手しています。   

 新疆茶文化協会の程憲明副会長は、「協会はお茶の市場の状況に詳しく、茶文化の普及、喫茶店の経営、産業の発展状況をも詳しいものです。一部の目利きの経営者を組織して、ブランド品作りに力を入れ、業界の健全な発展を促し、茶が持つ文化の奥深さをより多くの人々に理解してもらおうとしています」と語りました。

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