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チベット仏教の寺院

2009-05-21 16:41:18     cri    

  

 チベット自治区は世界の屋根とも呼ばれる青海チベット高原の西南部に位置します。中国の国土の12.8%を占め、122万平方キロもの広さがあるこの土地には、長い歴史を持つ貴重な文化財と古代建築物が多く残されています。民主改革が実施されて50年来、中央政府は文化財の保護と修繕に多くの人力と資金を投入しました。

 チベットの中心地であるラサ市の紅山の上には、紀元前7世紀に建立されたポタラ宮がそそり立っています。この1300年も前に建てられたポタラ宮はチベット仏教文化の中心で、敬虔なチベット仏教徒や、世界各地の参拝者の聖地でもあります。信者の多くが、五体投地という三歩進んでは全身を地に投げ出して、合掌する仏教徒の最高の礼拝方法を繰りかえし、ポタラ宮を参拝するために何年もかけて、はるばるやってくるのです。ポタラ宮の周りには参拝する人の波が川の流れのように途絶えることはありません。

 ポタラ宮の建立は、紀元633年に始まりました。当時すでにチベット高原の各部族を領有し、統一王国の吐蕃を建てたソンツェン・ガンポ王は、都をラサに定め、紅山の頂に壮大な城を築きました。これが最初のポタラ宮です。「ポタラ」という名は、サンスクリット語からきており、古代南インドの観音菩薩の住む山を音訳した「普陀」からとられたということです。

 その後、1653年に再建されたポタラ宮は、そのときから、歴代のダライ・ラマの住居兼チベットの政治・宗教の中心地となりました。敷地面積は41万平方メートル、建築面積は13万平方メートル、13階建て、標高3700メートルにある荘厳で巨大な宮殿です。宮殿外壁が白い白宮と赤い紅宮の2つの部分に分けられ、部屋数は1万以上あります。白宮は政治活動や生活の場所で、紅宮は宗教活動の場所となっています。紅宮には金箔で覆われた歴代ダライ・ラマの霊塔があり、高価なチベット薬で処置を施された遺体が安置されています。

 ポタラ宮殿は1994年に世界文化遺産に登録されました。

  

 チベットの3大文化財の1つであるこのポタラ宮殿で修復工事が1989年から現在に至るまで、中断されることなく、続いています。これまでのところ、宮殿の紅宮、白宮など17の主体建築の修復工事がほぼ終わりました。ポタラ宮管理所の責任者の話によれば、1989年から1994年まで、中央政府はポタラ宮の第1期修復工事に5300万元を投入し、8年後の2002年の第2期工事にはさらに1億7000万元の資金を拠出しました。修復工事は現在も進行中ということです。

 ポタラ宮には極めて大量のしかも貴重な歴史的な品々を収蔵しています。それには長さ2500平方メートルもある壁画、1000基近くの仏塔、経典、1万枚にも上る仏画・タンカ、木の葉に書かれた貝葉経典のほか、明や清の時代の皇帝がダライ・ラマに送った金や玉の印、金や銀の工芸品などがあります。

 そして、どの宮殿の壁にもさまざまな伝説や逸話にちなんだ色鮮やかな壁画が描かれています。たとえば、ポタラ宮を建立する時の情景や ソンツェン・ガンポ王と文成公主が成婚時の出来事、5世ダライ・ラマや13世ダライ・ラマが北京で清の皇帝に謁見するときの情景が生き生きと描かれています。

 長い歴史の中で、チベット族の人々はその勤勉さと智恵で独特な文化を作り出しました。中華文明の一部分として、チベット文化は非常に豊富なものです。

 ここ数年の研究者の調査の結果、現在、チベット自治区に保存されている古代の文化遺跡、宮殿、寺院、荘園建築などの古跡は2300ヶ所あります。

 そのうち、ポタラ宮やジョカン寺(大昭寺)、ノルブリンカは世界遺産に登録され、35ヶ所は中国重点保護文物に指定されています。(トウエンカ)

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