中国の東南部に位置する無錫は中国の呉の時代の都です。3000年の歴史を持つ古い町で、昔から美しく、豊かな都市で知られるこの無錫は『江南の名城』と言われています。　無錫は北に長江が流れ、南は太湖に臨み、西は南京に接し、東は上海に隣接しています。　四季がはっきりしていて、産物が豊かで、中国では、「米と魚の故郷」と謳われています。毎週この時間は今日の無錫の様子をご紹介していますが、今日は無錫地区において初めての銭氏家系図「無錫銭氏の家系図」が世に出たについてお話ししましょう。

　系図は、ある一族の代々の系統を書き表した図表です。中国では繁栄の時代に系図を作るという言い方があります。ここ数年、系図を作成し、家族のルーツを尋ねるブームが無錫市で起こっています。今年10月23日、初めての無錫地区の銭という名前の一族の系譜「無錫銭氏の家系図」が世に出ました。無錫地区と他の地方からの銭という名前の1000人を超える人々は無錫恵山区に集まり、家紋をつけての「無錫銭氏の家系図」の作成完成を祝いました。昔から家系図の作成は一族にとって非常に重要なことで、その作成完成を祝うために盛大な式典を行うのは慣わしとなっています。そのため、この日、地方劇の一つである越劇劇団を招いて、祝賀公演を行い、家系図の完成を祝いました。

　ある銭という名前の子孫は「『無錫銭氏家系図』の制作完成はわが一族にとって大変喜ばしいことで、銭氏の子孫として非常に喜んでいる。この家系図から無錫地区の銭という名前の一族は大家族で、多くの有名人が出たことがわかった」と述べました。

　調べによりますと、無錫の銭氏一族の中で有名な学者、芸術家、物理家などが大勢います。例えば、国学の大家・銭基博氏、有名な小説家・銭鐘書氏、中国の力学の父と呼ばれる銭偉長氏、彫刻の芸術家・銭紹武氏などがそれです。文学界でも芸術、科学教育界でも銭氏一族の活躍の姿がよく見られます。

　ただ、無錫の銭氏一族の中で最も神秘なベールに包まれた人物は銭氏の祖先は今から800年前の唐の時代の呉越国の国王・銭鏐です。無錫市銭鏐研究会の銭錚秘書長は記者のインタビューに応じた際、「銭鏐は無錫臨安地区の貧しい農家で生まれ、生計を立てるため塩を密売したことがあった。しかし、こんな厳しい環境で育った銭鏐は努力を積み重ねた結果、最後に呉越国の国王になった。この歴史的人物に対し、いまでも多くの考古学者は大変興味を持っているそうだ。銭氏の子孫として私たちは銭氏の先祖であるこの銭鏐の歴史、または呉越国の歴史を研究するには、家系図がなくてはいけないと思って、家系図の作成を思い立った」と述べました。

　銭錚秘書長はまた「家系図作成の時に、私たちが直面した最大の困難は、参考できる歴代の家系図はとても少ないことだ。これによって、私たちは国内及び海外の銭氏の人々と広く連絡し、多くの関連情報を集めていた」と述べました。

　要するに、家系図の作成を通じて、家族の由来・ルーツ、家族の移動、家族の規則それに独特な家族文化を収集し、まとめることができます。これらの研究は重要な文化的価値と社会的価値があると見られています。