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Old and New

2009-09-08 10:54:07     cri    

 「Old and New」という言葉が気に入っている。

 人生のいろいろな場面でこの言葉が頭をよぎる。そして、この大連でも…。

 私たちを乗せたバスは、中山広場を抜け、薄いブルーに光る巨大なガラス張りのビルに到着した。10日から開かれるダボス会議・世界経済フォーラムのメイン会場だ。

  

 世界各国から80カ国、1400人以上が参加する。冬のダボス会議、夏の専門家によるドバイ会議、それに続く「NEW CHAMPIONS」会議がここで開かれ、経済、政治、社会科学、ハイテクなどの技術開発の各分野で活躍する若いニューリーダーたちが選ばれた。いわば、21世紀を見据えた地球規模の頭脳が一堂に会する。今回のメインテーマは、金融危機後のWTOなど世界機関の在り方、を論議する、という。

 フランスの会社がデザインした会場内は、フランス人の好みのベイジュと茶色が主な所に使われており、セイルか船を思わせるオブジェが天井に。総面積は6500平方メートル。前回のときよりも1500平方メートルも減ったが、コンパクトにまとまり、かえってアット・ホームな雰囲気がかもち出されている。

 

 国際舞台には華やかな花も添えられる。総合案内や受付などは女性スタッフ30人が中心となりボランティア300人が手助けする。ナンシーさんとヘレンさんは「新しい出会いやコミュニケーションでいろいろなことが学べるのでとても幸せです」と美しい笑顔で答えた。

 戴玉林副市長は「この会議が終わったら次が決まるがわれわれは次回開催もつよく望んでいる」と自信をのぞかせた。

 国際都市のもうひとつの顔が、18年前から国家プロジェクトとして強力に推進されてきた「大連ハイテクパーク」。現在、7つの区域に別れた全長30キロ以上、総面積は153平方キロメートルもある。ライバルはインド。

 英語圏に有利なインドに比べ、中国は日本、韓国を相手に日本語、韓国語のエキスパートを揃え、各言語チームで事務部門から技術開発、設計などのソフトウェアとハイテク産業の「アウトソーシーング」を主体業務に、世界各国からトップ500の企業など525社の企業がオフィスを構えている。6万人以上が働いており、将来の成長を期待している。

 夕方近くになって、取材予約がキャンセルになった。待ちに待った自由時間。たった1時間半足らずだが、タクシーを飛ばして、まず旧ロシア人街に。メイン ストリートは、ロシア風のたまねぎの形をした屋根やネオゴシックの影響を受けた尖塔が暗くなった空にシルエットで浮かぶ。観光化され、

 ロシアレストラン、と書かれた看板も並ぶ。大小のマトリョ-シカやロシア製時計が並んだテント。カメラを向けると「写真を撮るなら買え」と迫ってきた。

 人のひそやかな息遣いが聴こえてくるような、そんな風情を描いていたのだが。

 時間がないので、別の場所にいどうしようと歩いているときに、同行の黄記者が、なにやら指差し、小路へ消えた。あわてて後を追う。

 子供たちの笑い声、ネギを入れた買い物籠をもち、女の子の手を引っ張りながらあるく母親。ダンボール箱をトラックに積み込む半裸の男。ひさしが壊れ、ふちた木のドア。レンガや木を寄せてつくられた家が立ち並んでいた。どの家もレンガ造りの煙突がある。数十年はたっているだろう。通り過ぎる人を捕まえては聴いたが、ロシア風の街並みとは確信が得られなかった。

  

 時間がないので急いで、タクシーに乗り旧満鉄本社や旧ヤマトホテルをカメラに収めた。

 ガラスの城を思わせる国際会議場。世界のエリートが集い、明日の地球を語り合う。清潔で数ヶ国語が飛び交うハイテク産業のオフィス。どちらも中国の未来を築くのには欠かせないのは分かっている。しかし、古くても大切なものがある。偶然、迷い込んだ町並みも郷愁をそそる。なぜだろうか。その答えも含め明日のリーダーたちによりよき世界とは何かという答えを出して欲しい。(村田)

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