世界三位の鉱山会社・英豪系のリオ・ティントグループは、チャイナルコ(中国アルミニウム業)と事業提携の計画が白紙になったことを明らかにした後、6月5日、オーストラリアの大手鉱山会社「BHPビリトン」と豪州事業を合併して、それぞれ50%ずつ株式を保有する合弁会社の設置で合意したと発表しました。
中国鋼鉄工業協会はこの発表を受け、こうした事業提携は強い独占的な色あいがあるため、協会はこれに断固反対すると語りました。
中国の新聞『参考消息』によりますと、オーストラリアのリオ・ティントグループとBHPビリトンはブラジルのリオドセ社と肩を並べる鉄鉱石の世界三大手として知られています。業界筋によりますと、この三社の握っている鉄鉱石の資源は世界の7割を占めています。もしリオ・ティント社とBHPビリトンの合弁会社が設置された場合、年間生産高が2億7千万トンを超え、世界鉄鉱石の海運貿易の40%のシェアを占めることになると見られています。
現在、世界の鉄鉱石供給はすでに高い独占性があり、リオ・ティントグループとBHPビリトンの事業提携はその独占の程度を一層高めると見られています。さらに、両者の提携により、鉄鉱石貿易の価格交渉の力比べの構図が変わり、交渉の一方に立つ鉄鋼企業の地位が益々不利になると予想されています。
中国鋼鉄工業協会の責任者は、「今、国際市場で保護主義が台頭し、鉄鉱石貿易は徐々に独占の方向に向かっている。こうした傾向を中国として断固とボイコットしていく」と話しました。
中国商務省の専門家は、中国の独占禁止法に従って、中国は両社の協力を否決する権利があると指摘しました。
商務省研究院外資研究部の馬宇主任は、「中国の独占禁止法では、もしも海外の経営者の業務合併が中国の国内市場と競争に制限もしくは排他的な影響を及ぼすならば、この種のM&A協議を否決することができる」として、さらに、「もし先方がそれでも合弁会社を強制的に設置した場合、当合弁会社は将来、中国の貿易制裁を受ける可能性がある」としています。
なお、リオ・ティントグループとBHPビリトン社の提携が世界の鉄鉱石供給に与える影響を考え、12日付けの北京の日刊紙「新京報」は、この両社の独占を打破するため、中国は孤軍奮闘してはならず、EU、ブラジル、日本、南アフリカなどこの両社と直接的な利益がある各国と連携して、合弁行動に反対することを提案しています。(Yan)
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