今年27歳の李想さんは、ある大学で工商管理学を専攻していました。卒業した年に、自分の専攻にふさわしい仕事に着きたかったのですが、気に入った会社がなかなか見つかりませんでした。そこで、自分で新しく仕事を始めようと思い、慎重に考えた末、靴磨きの仕事を始めようと考えました。このことについて、李さんは、「事前の市場調査から、この仕事は安定性が高いと思いました。大学の新卒者は社会経験がないので、最も基礎のところから始めるべきだと思います。まず、お金を儲けてから、次の段階に進むのがいいのではないかと思いました」と話していました。
2007年、李さんは、大学のアルバイトで貯めたお金に親から援助してもらったお金を加えて、鞍山市にあるコミュニティーで靴磨きの専門店を開きました。この時、真っ先に直面した難問は面子のことでした。李さんの話です。「最初のお客さんの皮靴を磨いた時、恥ずかしくて、頭さえ上げることができなかったです。慣れるまで時間がかかりました。自分の力で稼いでいるので、他人からただでお金をもらってもいないし、犯罪行為で手にしたお金でもないですから」。
李さんにとっての悩みごとは、勿論、あらゆる創業者が抱えている事業の経営問題で、「商売は、最初から隆盛になるわけではありません。始めてから軌道に乗るまでは、プレッシャーが最も大きい時期でした。これだけ投資しているので、できるだけ速めに元金を回収したかったです。お客さんが少ないときは、わたしはつい苛立ってしまいました」と述べました。
しかし、商売を開始したばかりの難しい日々を、一生懸命乗り越えようと、必死な李さんの姿を見て、王暁絹という女の子が強く心を惹かれました。当時、王さんは、瀋陽旅行学校を卒業し、就職したばかりでしたが、その仕事を止めて、李さんとともに創業に励みました。
靴磨きは想像より体力が要りました。多くの靴は機械で磨くと傷めてしまうので、手作業で磨くしかありませんでした。
王さんの話です。
「こんなにたくさんの靴を磨いたことがなかったのです。以前は自分の靴さえ自分で磨かず靴磨きの店に出していました。靴磨きがこれほど疲れるとは思いもよりませんでいた。疲れきったときは止めようとも思いました」
李さんの話です。
「毎日スニーカーを10足、20足、磨いていました。仕事の後は、疲れきって何もしたくなかったです。でも、苦労しない限りお金は儲かりません。」
二人は休みなしで、毎日朝7時から10数時間働いています。娯楽といえるものは閉店後の散歩です。昼間はデパートでゆっくり買い物する暇がないので、遅くまで開店している店に行くことにしています。
今では店の会員は、400人あまりになりました。やっと軌道に乗ってきたといえます。
二人は今の心境について次のように話しています。
李さんの話です。「中国には『一つの業に入ればその業を愛する』という言葉があります。靴磨き業に入った以上は、立派に成し遂げたいです。技を身につければ、今後何をしても心強くなるでしょう」
王さんの話です。「私たちは大きな目標を持っていますが、最も基本の部分からやり始めたので、自信いっぱいです」
(朱丹陽)
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