中国の習近平国家主席は23日、北京の人民大会堂で開かれた「中日友好交流大会」に出席し、重要な談話を発表しました。国際問題の専門家は、中日の民間交流に対する高度な重視を示し、両国関係の改善にプラスとなると分析する一方で、両国関係が今後安定的に発展できるかどうかは、日本の指導者が中国側と向かい合って歩み寄るかどうかによるとしています。
日本の政治や経済、観光、文化など各界の3000人あまりの代表団は23日夜人民大会堂で一堂に会しました。中日民間交流の一大イベントとして、両国メディアに高く注目されています。専門家は「習近平主席がこのような場で重要な談話を発表し、日本国民に向けて友好ムードを演出したことは、日本社会の中で中国との健全な関係発展を望む世論作りにプラスとなる」とみています。
外交学院国際関係研究所の周永生教授は、「中日両国の民間交流は政治環境による影響を避けられない。これまで、日本の国民は政府と世論の影響を受け、中国に対する誤解が生じていた。習主席は自らパブリック・ディプロマシーに乗り出し、『中国は中日関係を発展させることを非常に重視している。中日関係は幾たびもの風雨を経験したが、中国側のこうした基本方針は終始変わっていないし、これからも変わらない』と訴えた。これは両国関係の改善に向けて良い雰囲気を作り出した」と述べました。
中国社会科学院日本研究所の高洪副所長は、これほどの大規模な代表団の中国訪問そのものが、日本の民間には両国の関係改善を望む人が大勢いることと、友好的且つ前向きに問題に向き合う彼らの意欲を示していると分析しています。
清華大学当代国際関係研究院の劉江永副院長は、「中日両国は一衣帯水の隣国であり、世界第2位と第3位の経済大国である。習主席が談話の中で中日関係を発展させることにおいて示した責任のある態度は、中国と日本だけでなく、アジア太平洋地域ひいては全世界にとっても重要な意義がある」と述べました。
習主席は「中日友好の基盤は民間にあり、中日関係の前途は両国の国民にかかっている。両国関係の発展が順調でない時こそ、両国各界の人々が積極的に行動する必要があり、双方が民間交流を強化し、両国関係の改善と発展のために条件と環境を整えなければならない」と指摘しました。
社会科学院日本研究所の楊伯江副所長は、「中日関係の歴史は長く、両国の民間交流には強い絆がある。新中国成立後、中日の民間レベルの力は政府間の関係発展を強く後押しした」と述べました。
「中日国交正常化が実現した後も、両国関係に問題が生じる時には変わらず民間レベルの力を必要としていた」とし、高洪副所長はさらに「国の関係改善と民族の友好にとって、民間レベルの相互理解は非常に重要だ」と強調しました。
習主席は談話の中で「両国各界の人々、特に若者が中日友好事業に身を投じることを奨励する」と述べました。これについて、高洪副所長は「中日関係の発展においては若い世代に希望を託していることから、習主席は特別に青少年交流を強調したのである。若者たちが接触と交流を通じて歴史を理解し、関係改善の重要性と緊迫性を理解してほしい」と述べました。
一方、歴史問題に触れた際、習主席は「日本の軍国主義が犯した侵略の罪を隠し、歴史の真相を歪曲することは許されない。侵略の歴史を歪曲し、美化するいかなる言動も中国人民とアジアの被害国の人民は受け入れないし、正義感と良識のある日本人民もこれを受け入れないだろう」と話しました。
これについて楊伯江副所長は、今回の中日友好交流大会が両国の関係改善に向けて踏み出した一歩だと受けとめると同時に、歴史や安全保障、政治といった分野の問題により、この勢いが続くかどうかには、大きな不確定性があるとみています。
楊副所長は「今年は特別で敏感な年である。歴史問題に関する日本側の言動は中日関係に直接影響を及ぼす。我々は、特に8月15日に発表されるとみられる"安倍談話"が"村山談話"を継承するかどうかをとりわけ注視している。それは中日関係の先行きに直接影響を及ぼす」と述べました。
周教授は「中日関係を発展させるには、日本の指導者が自制を保ち、関連問題における中国のボトムラインに敢えて挑むことを防ぐと共に、関係改善に有利なタイミングを利用して、交流を拡大し、交流を行う中で意思疎通し、意思疎通を通じて信頼関係を増進させていくべきだ」と指摘しました。(ZHL、林)
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