反政府デモ隊と治安部隊の衝突で多数の死傷者が出たタイのバンコクでは27日、いくらか落ち着きを取り戻しています。街ではデモが減り、総選挙の準備が着々と進められています。一方、反政府デモ隊は、新年休みが終わった後、新たな大規模集会を召集するとしています。

　同日は総選挙の比例代表候補者の登録手続きの最終日です。反政府デモ隊が立候補受け付け会場を包囲しなかったため、登録が順調に行われました。地元メディアの報道によりますと、合わせて45の政党が候補者リストを提出したということです。

　26日に起きた反政府デモ隊と警官隊の衝突により、死者数が2人、負傷者数が150人以上出ました。反政府デモ隊は、総選挙の立候補受け付けに干渉するため、連日、立候補受け付け会場を占拠しようとしていました。

　選挙管理委員会は26日午後声明を出し、衝突を避けるために総選挙の延期を提案しました。しかし、タイ政府側は「選挙を延期すれば、情勢が更に複雑化するだけだ」として、選挙は延期しないとの姿勢を示しました。（ZHL、山下）国際・交流へ