中国共産党第18回全国代表大会のもっとも重要な政治的文書である「第18回党大会報告」は、「中国は海洋資源の開発能力を高め、国の海洋権益を断固として守り、海洋強国を建設していく」と明確に打ち出しています。中国国防省国際コミュニケーション局の責任者は13日、これに対して論評を発表し、島の紛争処理において、中国政府と軍隊は挑発に対し、平和を一番大切にしてきた。中国の海洋強国作りは脅威ではなく、チャンスである。また、世界平和の維持、共同発展の促進に向けての歴史的責任でもある」と語っています。
しかし、日本を始めとした海外メディアの目には、「こうしたことは中国の海上権益の追求の表れで、海上の軍備増強につながり、必然的に軍事行動の伴うものになり、世界の平和を脅かすだろう」というふうに映っています。
これを受け、国防省国際コミュニケーション局の孟彦副局長は、「海洋強国作りはすなわち海洋覇権を求めることか?」と題した評論で、これに反応しました。
孟彦副局長は、「こう見られがちな原因は、『強くなれば必ず覇権をとなえる』という固定概念にある。一部の国が歩んできた対外拡張の『歴史的軌道』を中国に当てはめ、日ましに強くなった中国は海洋強国を作る。すなわち、『海上覇権を求める』と考え、海上の軍力拡張をもたらすに違いないと憶測しているからだ」と見ています。
孟彦副局長はまた、「歴史を見渡せば、どの大国の浮上にも必ず海洋化のプロセスが伴っていた。中国は近代化のプロセスにおいて、絶えず自らの海洋戦略を調整し、海洋強国作りの歩みを拡大していかなければならない」と訴えています。
さらに、「21世紀は海洋の世紀だ。海洋は国の安全と長期発展にかかわっている。世界の主要海洋国は海洋権益を自らの核心的利益に位置付けており、新しい海洋経済政策と戦略的調整を積極的に押し進めている。中国は世界第二の経済大国として、すでに海洋に高度に依存する外向型経済を形成しており、海洋資源、空間への依存度が大幅に高まっている。中国は300万平方キロメートルあまりの海域と1万8000万キロメートルの海岸線を有する大国だ。海洋強国の建設と海洋権益を守ることは発展のかなめである。そして、民生の求めるところであり、中国の海洋権益の維持と開拓における必然的な課題でもある」と指摘しています。(Yan、高橋)
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