アメリカ大統領選に向けた民主、共和両党の大統領候補による初のテレビ討論会を前に、アメリカのキッシンジャー元国務長官は3日、オバマ大統領と共和党のロムニー候補が遊説などで争って中国カードを切っていることを批判し、「中国を攻撃する発言は最悪だ」と述べました。
キッシンジャー元国務長官はこの日、あるシンポジウムで、アメリカ大統領選や今後の中米関係について意見を述べました。終盤を迎えている大統領選について、キッシンジャー元長官は、「オバマ大統領とロムニー氏が選挙キャンペーンで、『中国は貿易分野でアメリカを騙している』と言っているが、これは最悪の発言だ」と批判しました。また、ロムニー氏が、「大統領に就任すれば中国を為替操作国に認定する」と述べていることに対し、キッシンジャー元長官は、「ほとんどすべての中国問題専門家が異議を抱いている。中国との貿易摩擦を"戦争"にしようとするのは、中国を知らない"理論家"だけだ」と指摘しました。
さらに、キッシンジャー元長官は、「過去の大統領選でも、中国を攻撃する発言がされていたが、当選して大統領に就任すれば、現実を見極め米中両国が協力しなければならないという結論になるだろう」としたうえで、「米中両国は平和に共存するだけでなく、重大な問題において協力することもできるし、世界の安定はそれにかかっている」との見方を示しました。(鵬、大野)
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