シリア情勢の打開に向けて国連とアラブ連盟からシリア問題特使に任命されたアナン前事務総長は11日に、シリアのアサド大統領と2回目の会談を行い、「シリアでの暴力終結について楽観視している」と語りました。

　アナン特使は2日間にわたるシリア訪問を終え、「訪問期間中に接触していたほとんどのシリア人は、平和を実現するため、暴力を停止したいという意思を示した。これがシリア情勢を楽観視している理由の一つだ」とした上で、「アサド大統領に暴力や殺戮の即時停止や、人道主義援助のためにルートの開通、対話の機会を提供するなど、一連の具体的な提案を行った。これらはシリアに現実的な影響を与えると共に、危機を終結させるための情勢を打開することにプラスとなるだろう」と示しました。

　アサド大統領は10日に、アナン特使との会談で「シリア問題を解決するためのあらゆる真摯な努力を支持し、その成功を祈っている。しかし、武装テロ集団がいる限り、対話や平和的な政治プロセスは成功できない」と強調しました。（ZHL、吉野） 国際・交流へ