中国の中央銀行である中国人民銀行の周小川総裁は、「人民元為替は変動の条件が整っており、変動拡大を考慮しても差支えない。供給と需要の市場関係によって為替の変動が決まるといったメカニズムをより具体的に表すことができる」と述べました。

　中国経済を反映する窓口として、人民元の変動が注目されています。中国国家統計局のデータによりますと、昨年末の人民元対ドル為替は前の年より5.1%値上がりしました。

　5日に全国人民代表大会で行われた「政府活動報告」は、「人民元為替変動メカニズムを整備し、双方向変動の弾力性を増強していく。人民元為替の合理的なレベルと基本的な安定を保っていく」と強調しました。

　これについて周総裁は「産業構造の改善で、黒字が減少しつつある。現在、人民元為替変動は、バランスの取れたレベルに近づいている。『政府活動報告』も双方向変動に触れたが、これは国際と国内の情勢にかかわっている」と述べ、人民元為替の変動拡大を考慮することは可能との見解を示しました。（朱丹陽　吉野）暮らし・経済へ