中国人民政治協商会議第11期全国委員会第5回会議が3日、北京で開幕しました。中国最高レベルの政治協商機構として、任期が5年の今期会議における最後の年次総会でもあります。これまでの1年、政協会議はどのようにして政治協商、民主監督、政治参加という機能を果たしたか、また、これから1年の活動重点について、　全国政治協商会議の賈慶林議長は、開幕式で行った常務委員会活動報告で全面的に答えました。

　今後10日間、異なる分野からの期待、意見や提言が、全国政治協商会議を通じて直接、中央政府に伝えられ、国の政策決定を行なう上での根拠、参考とされます。また、委員らは政協会議の上層部からの活動報告を聴取し、これまでの一年に行った活動を審議、検証していきます。

　全国政治協商会議の賈慶林議長は同日、全国政治協商会議常務委員会を代表して活動報告を行い、これまでの一年を総括しました。賈議長は、全国政治協商会議は科学的発展、社会の調和の促進、文化建設の推進という3つの面において、重要な役割を果たしていると次のように指摘しました。

　「これまでの一年間、全国人民政協会議は政治協商、民主監督、政治参加という機能を真摯に履行し、知恵と力を合わせて科学的発展につとめ、各方面の関係を積極的に調整して社会の調和を促進し、自らの優位性を十分に発揮して文化建設を推し進んできた。第12次5カ年計画の実施、および「小康社会」（いくらかゆとりのある社会）づくりにおいて、重要な貢献を行っている」

　中国では、2011年は第12次5カ年計画の最初の年で、科学的な発展の推進と経済発展モデルの転換が問題の要となっています。この議題をめぐった政治参加が、委員たちにとって今後５年間を貫く主な方向です。これに向けての委員たちの努力に対して、賈慶林議長は数字を用いて以下のよう総括を行いました。

　「委員たちは、マクロ規制の強化と改善、内需の拡大、とりわけ住民の消費ニーズの拡大、産業構造の最適化、近代化農業の発展、科学技術とイノベーションの推進、改革開放の深化などの重要な問題をめぐり、積極的に政治参加し、提言を行ってきた。これまでの提案総数は6076点にのぼり、数多くの意見や提言が、第12次5ヵ年計画および関連の特別計画と政策文書に組み込まれている」

　2012年における全国政治協商会議の日程について、賈慶林議長は常務委員会報告書で、6つの面から述べており、経済の安定かつ比較的速い成長および社会の調和と安定の維持こそ、これから一年間の重要課題だ、と強調しています。

　「科学的な発展を職能の履行における最重要課題とする。『実体経済の発展への注力、安定的で速い経済成長』をテーマとする常務会議を開く。民主党派の各派や工商聯組織、政治協商専門委員会、地方政治協商会議などの力を統合し、積極的に意見や提案を出していく。社会の調和と安定を辞することのできない重要な責任と捉え、それを堅持していく。『社会管理の強化とイノベーション』に関する討論会を開き、問題解決に役立つよう、実行可能な意見と提案が出せるよう努めていく」

　賈慶林議長が言及した実態経済の発展への注力は、委員たちが注目している重点課題でもあります。去年から、内外の世論から幅広く注目されている中国経済がハードランディングするかどうかは、委員たちが関心を寄せている問題でもあります。どうすればハードランディングを回避できるかについて、委員たちは相次いで提言を行い、「実態経済の持続的で健全な発展こそ、そうしたチャレンジに効果的に対応できる」との見方で意見が一致しました。関係筋によりますと、2日昼までに提起された約800点の提案のうち、ターゲットを健全な実態経済の発展に絞ったものが多かったということです。

　活動報告はさらに、全国政治協商会議は経済と社会建設のほか、新しい年に自らの建設を一層強化し、中国における文化の発展促進に力を入れ、内外の華人や華僑との交流を促し、対外友好交流と協力を積極的に展開し、世界各国の人々と友情を深められるよう努力していくと発表しています。さらに賈慶林議長は「全国政治協商会議は、これまで以上に自らの役割発揮に尽力し、国の各事業の発展にしかるべき役割を果たしていかなければならない」と語りました。

　賈慶林議長は「今年における人民政治協商会議の全般的な考えは、安定を保ちながら上昇を求めるという基本的なトーンをしっかりとつかみ、エンパワーメントに注力し、政策提言の質を向上させ、社会サービスの成果を際立たせ、各種関係を調整して力を集結させ、政策提言および大局のため、奉仕していくという重要な役割を、より良く発揮させ、「小康社会」づくりと、中華民族の偉大なる復興に一層大きな貢献をしていく」と訴えました。（白昊、Yan、山下）