アメリカのクリントン国務長官は16日夜、NATO・北大西洋条約機構の外務相会議終了後、特別機で韓国入りしました。そして、韓国のイ・ミョンバク大統領やキムソンファン外交通商相と会談しました。クリントン長官の韓国訪問は急遽に行われたことから、韓国メディアに注目されています。
クリントン長官は韓国入りした夜、まず韓国のキム・ソンファン外交・通商相と会談し、コミュニケを発表しました。コミュニケは「双方は両国の戦略同盟、自由貿易協定、朝鮮核問題、及び日本の大地震を含めた地域問題と国際問題について話し合った」と述べています。そして、朝鮮核問題については「双方は引き続き協力していく。六カ国協議を再開する前に、韓国と朝鮮が非核化について対話を行うべきだということを確認した。朝鮮は実際の行動で非核化の誠意を示す必要がある。朝鮮のウラン濃縮計画は国連安保理の決議と『9・19共同声明』に反するもので、国際社会は断固とした態度で向き合うべきだ」と強調しました。
17日、クリントン長官はイ・ミョンバク大統領と会談しました。韓国の大統領府によりますと、会談で、イ・ミョンバク大統領は、「両国の自由貿易協定の発効は3年以上も引き延ばされている。これにより、両国国民は自由貿易協定によってもたらされる経済上・安全上の利益を享受できないでいる」と述べ、両国の自由貿易協定の早期締結の意欲を示しました。さらに、「地域および世界が直面している問題の解決のため、両国は協力を密にし、戦略的同盟関係を新たな段階に進めたい」と述べました。
これに対し、クリントン長官は「オバマ大統領は、両国の自由貿易協定の締結を強く望んでいる。政府は、国会での早期採択のため、全力をあげていく」と強調しました。
このほか、日本の被災地復興への支援、核漏えい事件に関する情報交換などで緊密に協力していくことなどでも合意しました。
今回のクリントン長官の急遽訪問について、韓国メディアは関心を寄せています。韓国メディアは、韓国政府の思惑について、「朝鮮半島情勢が実質的進展を見せていないため、アメリカ外交の中心的人物であるクリントン長官と直接会って、話し合うことを望んでいる。また、日本で大地震発生後、政府は素早く日本に援助を行ったのに対し、日本は核情報の共有及び核汚染水の排出などで、韓国との交流を行わなかった。政府は、アメリカとの意志疎通は重要な意義を持っていると見ているのではないか」と分析しています。
一方、「イミョンバク政権はアメリカとの外交関係を重視しすぎている。これは韓国の全体的な発展に不利である」とという声も上がっています。また、一部の韓国市民によるクリントン長官訪問に反対するデモがありました。
17日昼過ぎ、クリントン長官は日本の羽田空港に到着し、菅直人首相や松本剛明外務大臣と会談しました。(朱丹陽)
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