北京で開催中の全人代・全国人民代表大会に参加しているチベット代表は、7日午後の全体会議で、実情を踏まえた新たな発展について、討議しました。
2006年から2010年末までの五ヵ年計画で、チベット自治区の一人あたりの総生産は1万7319元で、前の五ヵ年計画より8283元上回りました。農牧民の一人当たりの所得は4138元を超え、前の五ヵ年計画の倍になっています。
現在、チベットは、比較的閉鎖された状態から全面的に開放され、農牧業のみから多元化された経済、自然の保護から全面的な生態環境の保護、最低限の暮らしからゆとりのある生活、基本的な安定から長期的な安定を保つ社会となっています。
代表たちは、過去五年間の発展を振り返り、「現在のチベットは歴史上、最もよい時期を迎えており、新しい発展を遂げる節目になっている」と見ています。
この五年間で、観光業は大きく発展し、住民の所得も増えています。また、古い建築物の修繕の実施、ポタラ宮などの世界遺産への登録など、文化財への保護事業も大きな進展を遂げました。
また、環境保護も深化しています。全国で率先して西チベット草原の生態の保護活動を奨励するメカニズムが実施されました。森林業への補助制度を設置し、各種の自然保護区の面積は全国で最高の41万平方キロに達しています。
観光業の発展と環境保護について、チベット自治区のペドマ・ツシンリ代表は「われわれは、優れた環境の確保と、観光業の発展を両立させている。青海チベット鉄道が開通してから、利用客に、環境保護を訴えたハンドブックを配っている。チベットの面積は120万平方キロで、旅行客を600万人受けいれることができる。チベットと同じ状況で、環境が良く保護されている国はないのではないか」と述べました。
このほか、鉄道の開通など、交通輸送ネットが形成されています。また、3Gネットが整備されるなど、県クラスでは光ファイバーが通り、ファックスが使えるようになっています。
今年から始まる新たな五ヵ年計画の展望について、自治区の共産党委員会の書記を務める張慶黎代表は「経済面で、発展がより速くなり、質も向上し、効果もあがるよう、取り組んでいく。さらに、民生問題が重要な課題となり、住民はより幸せな暮らしを送ることを目指している」とした上で、「2013年までに、すべての農牧民は安全で住みやすい住宅に入居できる」と強調しました。(朱丹陽)
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