アメリカのフランク・ニューマン元財務次官と経済学者ダン・ニューマン氏は16日、雑誌「外交政策（foreign policy）」のウェブサイトで文章を発表し、「中国に圧力をかけ、人民元の切り上げを強引に求めるやり方は、アメリカの輸出業界にとって役立たず、消費者がより大きな代償を払うことになってしまう」と指摘しました。

　文章は、「人民元の切り上げを強いることは、中国製造業の就職チャンスと生産高をアメリカの工場に移転し、アメリカの輸出を促すことができない。また、中国がアメリカに輸出した数多くの製品が半製品であることから、人民元の切り上げにしたがって、アメリカで販売されている商品価格も上がり、消費者の負担が大きくなるばかりだ」と指摘しました。

　文章はまた「人民元の値上げにより、中国の一部製造業が他の発展途上国に移転することになる。アメリカの対中貿易赤字がいくらか下がるかもしれないが、他の発展途上国のアメリカへの輸出が増えることで、全体的には赤字がさらに悪化してしまう。貿易赤字を削減し、労働者と消費者に利益をもたらすためには、人民元の切り上げを促すのではなく、製造業に輸出の機会を提供すると共に、製品輸出への規制を緩和することにある」と述べています。（翻訳：ZHL）