JICA・国際協力機構の緒方貞子理事長は北京市の清華大学で4日午後、『グローパル化時代の中日関係の展望』と題する講演を行いました。大学教授と学生、各界の関係者など200人以上が参加しました。
講演中の緒方理事長
席上、緒方理事長は、国連難民高等弁務官としての活動を振り返りながら、人間の自由と尊厳が尊重されるべきで、紛争や貧困、環境破壊、感染症などから人間を守ろうという『人間の安全保障』の理念を訴えました。
JICAの援助活動に関しては、今までの中国への成果を振り返った上で、今後、大気汚染、気候変動、森林保全など環境分野で中国と協力し、貢献したいとの考えを述べました。
講演後、学生や教授らからの質問に答え、和やかな雰囲気の中で交流を進めました。中国のアフリカへの援助が脅威と見られていることに対してどう思うかと問われた時、中国政府の援助活動を評価し、より積極的に情報を公開し、信頼関係を作れば誤解を招かずにすむと提言しました。
清華大学の代表者が記念品を贈呈
なお、講演に先立って、緒方理事長は、瀋陽、長春でJICAが支援を行った医学大学や病院などを視察しました。また、北京で中国の関係部門を訪れ今後の活動や両国の協力について意見を交わしました。(李軼豪)
注:
緒方貞子:国連人権委員会日本代表、国連難民高等弁務官などを歴任して、世界的に活躍しています。2003年JICK理事長に就任。
大きな変化を遂げつつある中国で今後JICA事業をいかいに展開していくか、また、感染症などのグローバルな課題解決のための日中間のパートナーシップをいかに進めていくのかが、今回の訪中の課題となりました。
JICA:日本の政府開発援助の実施機関の一つであり、発展途上国などの経済および社会の発展に寄与し、国際協力を目的としています。
中国に対する支援は、今年で30年を迎えます。1980年代は経済インフラ整備、1990年代には環境保全が加わり、2000年以降は、環境保全、法制度をはじめとする制度整備、人材育成、日中間の相互理解促進に重点を置いてきました。
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