ロシアのメドベージェフ大統領は13日、中央アジアのトルクメニスタンを訪れ、カスピ海沿岸のトルクメンバシでベルドイムハメドフ大統領と会談し、天然ガス分野での協力について意見交換しました。今日の時事解説はロシアとトルクメニスタンの天然ガスをめぐる問題についてお話しましょう。
今回の会談で両大統領はトルクメニスタンからのロシア向けガスの供給再開で合意しましたが、再開の具体的な期日はまだ確定していません。ベルドイムハメドフ大統領は「パイプラインの修復に時間がかかるためだ」と説明しています。ただ、両大統領は近いうちに供給再開に向け具体的な問題について協議するよう各関係機関に命じることに同意しました。アナリストは「5ヶ月にわたる天然ガス紛争はようやく緩和された」と分析しています。
今年4月8日夜、ロシア向けの天然ガスパイプラインはトルクメニスタン領内で爆発事故が発生しました。これに対し、トルクメニスタン側は「ロシア天然ガス工業会社が事前にトルクメニスタン側に通知せずに、輸入量を急減させたことが事故の原因であり、ロシア側が双方の調印したガス供給協定に違反したことは、慎重さに欠き、無責任な行為だ」と非難しました。その後、ロシア向けガスの供給を中止しました。
メディアは、トルクメニスタンがこの事故を理由にロシアへのガス供給を中止したのは表面的な原因にすぎず、深層的な原因は、トルクメニスタンの天然ガス輸出パイプラインがこれまでロシアに支配され、輸出価格も国際価格よりかなり低く抑えられ、それがトルクメニスタン側の強い不満を招いてきたためだと見ています。関係筋によりますと、天然ガス年産750億立方メートルのトルクメニスタンはこれまで、その中の500億立方メートルをロシアに輸出してきました。この状況を変えようと、トルクメニスタンは天然ガス輸出の多元化を積極的に推進し、新たなパイプラインの敷設の可能性を模索するなどある程度の進展を遂げました。
カスピ海および中央アジアの資源をめぐるロシアとの競争で、欧米諸国はすでにロシアを迂回するパイプラインの建設をトルクメニスタンに説得してきました。また、トルクメニスタンのエネルギー輸出を多元化する方針に必要な支援を提供すると確約してきました。
これを受けて、ロシアは長期的な戦略的利益を維持するため、トルクメニスタンに対し強硬姿勢に出ることをできるだけ避け、ガス問題での矛盾を緩和させようとしてきました。
報道によりますと、トルクメニスタンを訪れる前、ロシアのメドベージェフ大統領はガス問題をめぐる紛糾を解決するよう関係当局に指示し、国際価格を参考に、トルクメニスタンからの天然ガスの輸入価格を算定することにも同意しました。これは両国のエネルギー分野での協力強化に向け道を開くものだと見られています。
今後、双方が天然ガス面での協力を順調に進められるかどうか、各界は注目しています。
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