国際金融危機に対応するため、中国は、4兆元の経済刺激策を採択し、自動車、鉄鋼などの10大産業の振興計画を立ています。そして、この間、9500億元の財政赤字予算案を提出して、国内需要の拡大と国民生活の保障などに当たることにしました。
5日、温家宝首相が全人代の政府報告で、「今年の経済成長率を8%くらいに保ち、就職者を900万人以上増やし、市民の消費価格の上昇を4%にとどめる計画だ」と明らかにしました。
中国政府は、経済成長を今年の仕事の重点に定めています。また、経済成長促進の措置の中で、内需拡大、特に消費需要の拡大が、経済成長の根本的な対応策とされています。
4兆元の経済刺激資金の使用であろうと、財政と貨幣政策であろうと、市民収入の増加や、市民生活の改善が重点と決められています。こうして、短期間に経済成長を刺激できるばかりではなく、長期的に見れば、中国の経済成長が投資や輸出に頼りすぎたパターンを変え、投資、消費、輸出がバランスよく経済成長に貢献することに役立ちます。
今までの30年間で、中国は改革開放により、経済社会ですばやい発展を遂げており、平均の経済成長率は9%以上を超えています。しかも、全世界に波及する金融危機は、中国の経済発展に巨大な衝撃をもたらしています。経済成長の効率の低下や、都市部と農村部の発展不均衡、収入の格差が大きいことなど、構造的な問題や、矛盾が、金融危機の衝撃で現れています。
この間中国政府が提出した10大産業振興計画は、鉄鋼、石油化学、合金産業などの伝統的な産業だけではなく、電子インフォーメーション、物流などが含まれています。この措置は、金融危機のもとの経済発展の需要に符合し、経済構造調整の需要にも符合します。中国の産業発展は、効率を上げ消耗を下げ環境を保護する要求に従い進んでいくとともに、新しいものを作り出す能力と競争力を強化しなければなりません。従って、このような調整は、中国が直面する資源や環境の圧力を緩和させ、全面的で持続可能の発展に有利です。
危機対応策により、相当な資金が社会保険、農村建設、低収入者の収入増加に当たられることになります。中央政府と地方政府の9500億元の財政赤字の中でも、相当な部分は経済発展がまだ立ち遅れている分野に分けられます。
中国政府の対応策は国際金融危機に影響を受け解決が迫られる問題のためですが、長い目で見れば、社会保障レベルが上がると、国民の住宅、医療、老後、失業に関する心配も緩和されます。また、農村の発展と低収入者の収入改善も、消費レベルの増加につながります。中国政府が提出した危機対応策は、互いに関係がないように見えますが、全体的に見れば、都市部と農村部のバランスよい発展や、経済社会の持続可能の発展のために互いにかかわっており、緊急な対応案でありながら、百年にわたる発展方針でもあります。
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