国連のパン・ギムン事務総長は12日、ニューヨークの国連本部で、ガザ地区の武装衝突の即時停戦を促すため、13日から中東地区を歴訪することを明らかにしました。
今年初の記者会見で、国連のパン・ギムン事務総長は13日から中東地区を歴訪することを明らかにし 、「私のメッセージは単純明快で、ガザでの戦闘は直ちに中止されなければならないという一点に尽きる。多くの人が今回衝突で亡くなり、多くの庶民がその被害を受けている。また、パレスチナ人であろうとイスラエル人であろうと、たくさんの人が毎日恐怖にさいなまれながら暮らしている」と述べました。
パンギムン事務総長は、「パレスチナとイスラエル双方がこのほど安保理で採択された決議を完全に遵守するため、ガザ地区での軍事行動を直ちに停止しなければならない。イスラエル側は進攻を停止し、ハマス側はロケット弾襲撃をやめるべきである。一方、国際社会はそれ相応の努力を払わなければならない。特にガザ地区の兵器密輸を取締ると同時に、輸送に便宜を提供するためガザ地区のすべての通商点を開放すべきである。また、人道的支援にさらに力を入れなければならない」と強調しました。
今回のパレスチナ・イスラエル衝突で国連が地域の平和と安全保障において果たすべき役割についての記者からの質問に対しパン・ギムン事務総長は、「世界の平和と安全の面で果たす国連の役割とこれまで上げた成果は抹殺できない」と語った後、「国連が果たした役割に質疑するのは不公正である。過去60年間、世界の平和や安全保障、発展、および人権保護の面で払ってきた国連の努力を振り返ってみると、これに大きく貢献してきたことがわかる。問題や紛争の解決で国連が期待された役目を果たせなかったことは確かにある。しかし、今回、イスラエルとパレスチナ双方は、国際社会の呼びかけを尊重していないし、また、安保理の決議も遵守していない。これこそが問題である」と述べました。
さらに今年度の国連の活動について、パンギムン事務総長は「今年は困難を抱え、チャレンジを迎える一年である。経済危機の影響は依然として存在しており、食糧危機の影響をなくせないでいる。このほか、気候変動問題は今後、国連にとって非常に重要な問題となっている」と強調した上で、「今年は"気候変動の年"である。コペンハーゲンで開かれる世界気候サミットまであと11ヶ月になり、今月に開かれるダヴォス経済フォーラムでも、このことについて各国指導者と積極的に検討する」と語りました。
また、パン・ギムン事務総長は、「ダルフールやコンゴ民主共和国、ソマリア、アフガニスタンなどの問題は依然として世界の平和と安全保障にとっては不安定な要素である。アメリカのオバマ次期大統領が正式に就任した後、私は中東情勢や気候変動の問題、ミレニアム発展目標などの話題について意見交換を行う」と述べました。
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