今日のキーワードは信用記録です。
北京の銀行業は2003年に、不良債権やローンの悪用などを防ぐため、個人の金融記録のデータベースを作ったそうです。最近よく耳にする信用記録はこれと違います。今話題になっている信用記録は、銀行業にだけ利用される金融記録だけではなく、人柄などすべてのことにかかわる記録です。このほど、中国東部の江蘇省は、個人の信用記録システムを今年末までに導入することになりました。
こういう信用記録システムには、個人のプロフィールやローンの返済状況だけでなく、赤信号を無視した交通ルール違反や携帯電話の料金不払いなど信用とかかわるすべての情報が登録されるそうです。有効期限は7年となっています。というのは、今登録された不良な記録は7年後やっと取り消されるというわけです。
こういう個人の信用記録システムは中国の経済活動の規範化、社会の安定にプラスとなると思いますが、不良な記録の認定がちょっと不適切なところがあると考えています。特に、携帯電話の料金不払いを不良な記録にすることは納得できません。
中国の携帯電話キャリアーは2社しかないので、この二社が携帯電話業界を独占している疑いがあるといわれています。私本人でも、携帯電話キャリアーのミスによって、電話料金の支払いができず、料金不払いとされ罰金されたことがあります。こういうひどい目に2回もあいましたが、二回ともキャリアーの技術部門の責任でした。しかし、会社のアフターサービスの部門と連絡した結果、「技術部門と別の部署なので、解決できない」という答えだけで、謝るどころか、「料金不払いと認定してそのプロセスに入ろう」とアドバイスして終わりました。
これらのことを考えて、中国の個人信用記録システムの健全化はまだまだ時間がかかるでしょう。しかも、個人の信用記録システムだけでなく、企業の信用記録システムの構築も必要だと考えています。(文:KH)
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