ドーハは、GDP(国内総生産)が世界でも上位。いわゆる"リッチ"な国だ。道を走っているのは高級車が多い。
だが、そこからしか、"リッチさ"が伺えない不思議な国である。
その理由は、「娯楽の少なさ」、「ファッションの平板さ」にある。
リッチな町というと、北京でいえば高級なファッションの店が立ち並ぶ王府井、日本ならば、さしずめ銀座などが思い浮かぶ。だが、そういう派手さは全くない。町を歩く人たちのファッションは単一的だし、飲み屋街や娯楽街などほとんど見られないのである。
その理由は宗教にある。カタールは、イスラム教の国で、ここでは、お酒を飲んではいけない。レストランではお酒を出さないし、スーパーでもお酒を売ってはならない。飲み屋などもちろん、許されない。
また、男性は白い長衣を、女性は黒い長衣をしか着ないので、ファッション関係の店も成り立たない。顔を覆わなければならないイスラム女性にとって、化粧品も勿論役に立たないだろう。
ただ、カタールの総人口が80万くらい。そのうちの20万人がカタール人、残りの60万は、インド・パキスタンからの出稼ぎ労働者が多い。実は、ここの法律では、店や会社を開くには、カタール人の保証人がいなければならない。当然、それにはお金が必要だ。だから、カタール人は、彼らがカタール人であるというだけで、お金が転がり込んでくる。カタール人は、それらの"不労所得"でゆうゆうと生活できるというのが、本当のところののようだ。ただ、そこで得たお金も飲み屋で使うこともなければ、ファッションにつぎ込んでオシャレすることもない。
使い道は高級車へ、ということになるわけだ。
(文章:李いつ豪)
(ドーハ時間:8日夜8時)
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