現在、中国は世界中が目を見張るほどの経済成長を遂げています。しかし、その恩恵に浴していない大勢の人がいるのも否定できない現実です。ある貧困地区で小学校もなく、基本的な初等教育を受けられない子どもが数多くいます。
ここ数年、貧困地区での子供の教育問題は社会の関心を集めており、実業家・芸能界の有名人・海外にいる華僑たちがお金を寄付して、学校建設を行う活動を積極的に展開しています。子供たちに、教育の場所を提供すると同時に、未来への希望も与えるということで、このような学校には全て『希望学校』と名付けられているのです。
『希望学校』の建設に熱心に力を捧げる人たちのなかに、一人の日本人がいます。それが着物デザイナーとして活動する龍道華彩さんです。日中青少年育成友好協会会長などを務める龍道さんは、1999年中国山西省西安市郊外の藍田県に龍道華彩希望小学校第一号を完成させて以来、合わせて10校の建設に寄与しました。そして、現在11校目が建設中であり、来年には完成予定だそうです。
第一号の『希望小学校』を作ろうと決めた当時を振り返って、龍道さんは、西安の藍田県を視察していた時に、貧しい中に輝く純粋な目をまのあたりにして、学校建設を始めたと語ってくれました。
『希望小学校』の建設に熱心に携わっているほかに、小学校を卒業して引き続き進学を希望していても経済的な面で困難に直面する子供たちに、奨学金を提供しています。毎年、300人くらいの子供たちが龍道さんの恩恵を受けています。
これから内モンゴルなどの少数民族、そしてシルクロードのほうへ支援事業を広げて行きたいという龍道さんの思いを伺い、龍道さんの人格に尊敬の気持ちを抱かざるを得ませんでした。
貧しさに苦しむ中国の子供たちに教育を受ける機会を与え、未来への希望を与えた龍道さんと、その他の支援者の思いを私たち中国人はぜひ大切にしていきたいと思います。と同時に、龍道さんから助けを受けた子供たちが、大人になったら、今度は彼らが中日両国の友好の架け橋になってくれるよう願っています。
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