サッカーは、世界で最も人気のあるスポーツと言われています。そして、世界中の人たちが、一つのルールのもとで、同じボールを使い、試合や練習を通じてサッカーを楽しみます。
人々は、互いに言葉が異なっても、サッカーを通じて国境を越え、交流を実現することができるのです。
11月19日、2008年北京オリンピック1000日前イベントの一つとして、東京ベルディユースと北京国安ユースの親善試合が、北京市人民対外友好協会、北京市体育総会と日本の読売新聞社の共同主催によって行われました。
東京ベルディは、日本のサッカーリーグ「Jリーグ」に所属するチームで、これまで日本代表を延べ39名輩出した名門です。そのユースチームは、18歳以下の少年からなっており、今年10月にはユース大会の最高峰と言われる「高円宮杯」で日本一に輝いた強豪です。
一方、北京国安は、中国のサッカーリーグ「Cリーグ」では中の上クラスの地位を占め、ユースも同年代のチームの中では上位に位置します。
両チームは試合中、体が激しくぶつかる場面が多く、親善試合ながら、真剣勝負を見せてくれました。東京ベルディユースは各選手ともボールコントロールがうまく、パスまわしが的確。一方、国安ユースの選手達は体が大きく、身体能力の高さが特徴です。
以下、実況をお伝えします。
「前半、流れを引き寄せたのは国安。しかし、何度かゴール前の絶好のチャンスを迎えるものの、ゴールはなりません。前半終了直前、国安は7番フォワードの越カイ豪が味方のヘディングから、シュート。しかし、角度がなく、キーパーががっちりとキャッチ。ベルディの堅い守りに阻まれます。
後半は、両チームとも、攻撃主体のフォーメーションに変更。何度か決定的なチャンスをつかみますが、互いに決め手を欠きます。先手を取ったのはベルディでした。後半30分、右サイドからボールを折り返して、20番、高橋が合わせます。体を寄せてきたキーパーを交わしてシュート。これが見事に決まり、ようやく均衡破れて1ー0となります。しかし国安も負けてはいません。積極的な攻撃を展開する国安は、試合終了3分前、またも7番越カイ豪がパスを受け、味方とのワンツーから、ペナルティエリアに入ってシュート。同点ゴールが決まり、1ー1、追いつきます。
試合は結局、このまま終了し、1ー1の引き分け。ベルディのテクニックと、国安の体の強さが真っ向からぶつかった見ごたえのある試合でした。」
試合後、イタリアACミランのネスタ選手が憧れという金沢キャプテンに、感想を伺いました。
「勝てなかったのは悔しいですけど、楽しくサッカーをすることができたので良かったです。国安の選手たちは、しっかりした技術があって、特に7番の選手は、点も決めたし、私たちにとっては脅威でした。」
ベルディユースの中村監督は、「若者たちが、本気でサッカーという一つのルールのなかで激しくぶつかりあう…今日は本当に体と体のぶつかったいい勝負ができましたね。いい交流ができたんじゃないかなと思います」と語ってくれました。
今回の試合は、単なるユースチーム同士の交流のみならず、北京オリンピックに向けての活動、さらには、中日の文化交流のあり方をサッカーを通じて示したものです。
この点について、北京体育総会の李さんは、「両国市民たちの交流は、両国の関係、或いは距離を縮める重要な役割を果たしている。私たち体育総会は、民間スポーツを支援する組織として、日本を含む諸外国との交流がどんどん活発になるよう努力していきたい」と述べました。
民間交流が盛んであるからこそ、中日両国は何千年もの間友好を保ってきたのです。両国人民が互いの気持ちを理解してはじめて、手を取り合っていくことができます。このような民間交流がもっと盛んに行われるよう期待しています。
|