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北海道新聞、日中韓の若者ネット座談会を主催
   2005-11-11 16:21:55    cri

 日本と中国、日本と韓国は、過去の歴史や今の現実などで、様々な問題が存在しており、これに憂慮している人は少なくないでしょう。こういう状況の中で、互いの交流はとても重要だと思います。日本の北海道新聞社がこのほど、日中韓3国の若者ネット座談会を企画しました。

 これは、三ヶ月前に開催されたもので、8月15日付けの「北海道新聞」で紹介されました。

 記事は二ページにわたっています。「3国友好、私たちの手で」と「直接交流で風穴を」がそれぞれの見出しです。

 この企画について、編集者は次のように説明しています。

 『終戦から六十周年の節目を迎えた今年、日本と中国、韓国は、教科書問題や領土問題などで、かつてないほどの緊張関係にある。それぞれの国に暮らし、次の時代を担う若者たちは、今の状況をどう受け止めているのか。三カ国の若者六人が北海道新聞本社と北京、ソウル両支局に集まり、インターネットでの対談を通して、各国の未来像と、相互理解への道を語り合った。

 参加した6人には、「靖国神社公式参拝」、「教科書」、「領土」、「反日」について、事前に電子メールで意見を寄せてもらい、互いの考えを伝えた。その上で7日、北海道新聞本社(札幌)と北京、ソウル両支局に設置したパソコンを使い、専用掲示板で約3時間の意見交換を実施、内容を編集した。事前の意見では、靖国問題について、全員が「参拝すべきでない」で一致。領土問題では意見が分かれたが「今は解決の時期にふさわしくない。互いの歴史認識の一致が先決」などの意見があった』とのことです。

 紙面には三枚の写真があり、3国の若者、男女一人ずつがそれぞれ北海道新聞の札幌本社、ソウル、北京支局で掲示板を使っている様子が写っています。

 日本側は、橋本護さんと生駒ひかりさん。

 橋本さんは、21才。北海道大学教育学部の4年生です。「中国や韓国料理は完全に定着し、文化面での親しみも高まっている」と考えています。

 生駒ひかりさんは、19才。北海道東海大学の2年生です。「私たち若い世代からどんどん風穴をあけていければ」と言っています。

 そして韓国側は、朴 宰亨( パク・ジェヒョン)さんと朴 恩英(パク・ウニョン)さん。

 朴宰亨さんは、27才。東京新聞ソウル支局のスタッフです。「日本を否定する反日運動より、市民交流で私たちの主張を伝え、よい方向に世論を形成した方が効果的だと思う」と主張しています。

 朴恩英さんは、25才。韓国外国語大学通訳翻訳大学院生です。「反日感情は感情的になると客観性を失い、主張を伝える障害になる。もっと冷静に」と呼びかけています。

 中国側は、王 昱璟(おう・いくけい)さん賈濤(か・とう)さん。

 王さんは、21才で賈さんは、22才。二人とも今年七月に北京第二外国語大学を卒業しました。王さんは9月に北京日本学研究センターに入学し、賈さんは今日本留学中です。

 二人は、「私たち若者は責任重大です。新しい歴史を作り、古い歴史も忘れてはいけない」、「向こうが反中ならこちらは反日式の主張や行動は、決して問題解決にならない」との主張です。

 若者たちは、まず去年のアジアカップサッカーについて率直にぶつかり合いました。

 日本の橋本さんは、『アジアカップサッカーで、中国のサポーターが日本代表にブーイングする場面が何度も放送された。それを見て日本人は「中国人は日本嫌い」、「だから中国は嫌い」と思ったかもしれない。でも、日本との友好を望む中国人もたくさんいるはず。関係悪化は互いが相手国を一面的にしか見ていないことが原因と思う』と自分の感想を語りました。

 そして、生駒さんは、「なぜブーイングが起きているのか、私たちも考えないといけない」と主張し、また、報道は問題があると指摘しています。「客観性よりも、どうすれば派手になり、売れるかが優先されているのは、互いの国について理解が足りないためではないでしょうか?」

 中国の王さんと賈さんも、日本メディアの報道に疑問を持ちました。

 「ブーイングの中には、日本への不満とか、政治的要因もあったでしょうが、日本人が想像しているより少ないと思う。問題は、一面的な報道にあるのではないでしょうか。私の周りでは、あまり強い反日感情は見当たらない。でも、ほとんどの中国人が反日運動に参加しように報道され、日本人も「中国人は怖い」というイメージを持ったのではないでしょうか。」

 報道の責任について、韓国の朴恩英(パク・ウニョン)さんは、「報道されたことを自分なりに判断せず、無批判に、そのまま信じてしまう人は、意外に多いので、報道の責任は大きいと思う。客観性と責任感を持つ必要がある」と同感を示しました。

 国と国の間の違いは客観的に存在していますが、私たちができることが、やはり違いを超え、接点を探ることでしょう。若者たちは、自分の体験や身近な出来事からその方法を一生懸命見つけています。

 韓国の朴宰亨さんは、「私は父の影響で興味を持ち、一九九九年に初めて日本を訪れた。日本の文化を体験して、日本が好きになった。韓国の若者は、反日よりも、アニメやドラマ、歌などを通じて日本の文化に興味を持っており、悪感情はないと思う。今は、東北アジア三国の関係が、良くなっていく過渡期だと思う」と話しています。

 そして中国の賈さんは、「過渡期、短ければ短いほどいいなあ。文化面の交流だけではなく、歴史や政治などを含め、幅広い交流が不可欠だと思う」と語りました。

 王さんは、2008年の北京オリンピックを取り上げ、それをきっかけに各国が友達になれることに期待を示しました。

 それを受けて、日本の橋本さんは、『2002年のサッカー・ワールドカップは、日韓交流の起爆剤になった。同じことが期待できるし、そうなるといいね。領土問題で、公職につく人が「ボイコットを考えるべきだ」と発言したことに怒りを覚える』とした上で、『母が昨日、「日本人、韓国人である前に同じ人間だ」と言っていったが、それがどういう意味なのか、この対談で実感した。もちろん、国籍などによって、背負うものは違ってくると思うが、それを互いに受け入れつつ、最終的に乗り越えて行けばと思う』と話しています。

 生駒さんは、座談会に来る前の心情を語りました。

 『日本人はきっとアジアではすごく嫌われていて、今日もきついことを言われる覚悟で来た。でも、三国の関係は決して絶望的なものでなく、三国共同編集の歴史教材「未来をひらく歴史」などのように展望が開けてきていること、日本がきちんと手順を踏んでいけば、関係悪化を避けられることなどを確信できた。』

 韓国のパクさんは、「優越感、無視、蔑視と言った感情がある限り、真の交流は難しいでしょう。しかし、接点は必ずある。それを見出すことが、私たち若者の使命だと思う」と感想を語りました。

 中国の王さんも「若い世代の肩には、三国友好という重責がかかっている」と話しています。

 このように3国の若者たちは、直接の交流によって、心を開き、相手への理解を深めて行きました。これからもこのような話し合いをどんどん行っていくことが期待されます。

通信
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