しょうがといえば、古くから風邪をひいた時に良いというのはよく知られているようです。しかし、なぜしょうがが風邪に良いのかをご存知でしょうか?そこで今回は、しょうがが薬効の宝庫といわれる理由をご紹介します。
昔、風邪をひいた時、おばあちゃんが作ってくれたしょうが汁は今でも広く受け継がれています。作り方としては、しょうがの絞り汁を小さじ2杯ほど湯呑みに入れ、熱湯をそそぎ、ビタミンCが多く含まれるハチミツも加えれば、飲みやすくもなり、効果が高まります。体内には喉の平滑筋を収縮させる「ロイコトエリン」という物質があります。これが喉の筋肉を締め付けて咳の原因となります。また頭痛や喉の炎症、悪寒は「プロスタグランジン」「セロトニン」によって引き起こされますが、しょうがの辛み成分「ジンゲロール」と香りの素となる「ガラノラクトン」は、これらの物質の働きを抑えて痛み、咳、悪寒の症状を緩和してくれます。
毎夏、オフィスのクーラーが冷えすぎて、クーラー病と呼ばれている急激な温度差(外気の温度とクーラーの効いた室内の温度)の繰り返しにより 自律神経の調整が失調し、様々な体の不調を起こす症状に悩まされる女性は多いようです。血液は筋肉の収縮によって全身に送られますが、寒さによって筋肉が縮んで血管が細くなり血行不良を起こし、冷え性になります。しょうがに含まれる「ジンゲロール」には、血管を拡張させ、血行を良くしますので、クーラーの季節こそ、しょうがを摂ることをおすすめします。
胃酸は、食べ物の消化に欠かせないものですが、過剰なストレスや不規則な食生活によって分泌異常が起こり、粘膜を攻撃するようになります。そんな時、しょうがを食べると「ジンゲロール」などの辛み成分が胃壁を適度に刺激して粘膜の修復を即し、胃の働きを回復してくれます。さらに、香りの成分である「ガラノラクトン」にも胃もたれや胸やけを抑える効果があります。
しょうがの薬効は何千年も前の中国古代医学でも利用されています。現代まで歴史的にも受け継がれてきたしょうがが「薬効の宝庫」といわれることを、上で紹介した内容から納得できるのではないでしょうか。
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