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4月13日(水) 取材日記③

2016-04-16 18:36:06     cri    

 この日は、先ず信陽市の喬新江市長との会見からスタート。記者団の中で最年長の私がトップバッターで質問することになっている。先ず、信陽市はどんなところなのかを市長に尋ねる。豊かな自然、恵まれた交通条件、そしてお茶の産地と信陽の魅力を熱く語ってくれた。私にとっては、お茶の産地=豊かな所と思っていたが、このあたりはそうではなくむしろ貧困地区に入っているということが解った。貧困から抜け出すためには、経済の発展が欠かせないが、それはまた豊かな自然環境の破壊に繋がらないか。これに対し、市長は環境保護が最優先。いかなる産業も環境に配慮して進めていかなければならないと答えた。発展と環境保護が相反する時代は終わり、発展にとっての欠かせないものとして環境保護があるということが解った。モンゴル語部は、お茶について質問していた。

 中国人記者からも次々と質問が出て会見は1時間ほど続いた。この後、お茶の最後の取材地になる新県のお茶企業に向かう。山道を2時間ほど車で走り到着したのは、新県新林茶業公司。入り口では、茶摘みのデモンストレーションで私達を出迎えてくれる。

 ここでは、日本との合弁で玉露を作っているという。目を脇に移すと黒い覆いをかけた茶の木がある。故郷静岡でも見かける光景になんだか嬉しくなる。

 こうすると直射日光を遮ることができ、お茶の旨みが増す。中国茶は、香りにこだわるが、日本茶は味にこだわる。黒い覆いは味へのこだわりの証。他では見なかった光景に、やっぱり日本との合弁だなぁと感心する。お茶の製茶工程を見学することになって、また、日本らしいこだわりを発見。

 工場内へ入るのに靴が汚れていても大丈夫なように、この青いビニールで靴を覆う。しかも、この細長い枠の中に足を入れると自動的に靴を覆ってくれる。そして、中に入るとやっぱり日本の製茶工程の特徴、「蒸青」の蒸気が上がっている。

 緑茶の製茶過程は前回お伝えした通り、摘んだ茶葉に直ぐに熱を加える殺青を行い茶葉の緑色を留める。この熱の加え方、中国では炒ること=炒青が多く、日本では蒸す=蒸青が多い。炒めると香りがよく出て、蒸すと味がよく出る。今まで見学したところはどこも炒青だったが、ここでは蒸青をしている。これも、日本ポイ。工場内をキョロキョロしていると機械には日本語が書かれている。奥は鈴木式と書かれていて、静岡県の地名も見える。

 工場内のレイアウトを見ても、限られた空間にきちんと機械が整列していて今までの広い空間にぱらぱらと機械が置かれていた様子から較べると、これも日本ポイような気がする。

 製茶された茶葉の入っている袋も内側が銀色で、これもなんだか日本ポイ。

 随所に「日本」を感じて、懐かしくまた嬉しかった。残念なのは取材時間が短かかったこと。あわてて製茶工場の横をのぞいたら摘まれたばかりの茶葉がずらっと並んでいた。

 これで、予定されていた「お茶」に関する取材は終了。移動のバスに乗ろうとしたらこの会社の人が追いかけてきて、私に賞状のコピーを見せてくれた。静岡県で開催した第1回緑茶コンテストで金賞をとった時のものだった。お茶は中国と日本を、過去と今を繋いでいるなぁと思った。

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