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4月12日(火) 取材日記①

2016-04-14 11:30:23     cri    

 取材1日目は、高速鉄道での移動だけだったので2日目の今日からいよいよ本格的な取材が始まる。この日は「お茶」がテーマ。

 先ず、向かったのは五雲集団の龍潭茶葉有限公司というお茶のメーカー。到着するとショールームのような場所に案内される。製品である茶葉が展示されている棚の上には、国家の指導者を始め要人がこの企業を参観した時の写真が飾られている。「お茶」というものを政府としても重要視していることが見て取れる。そして、この場所で会社の説明があった。それによると生産から加工、販売までを手掛ける茶業専門の会社で従業員は1000人超。うち6割は茶葉に関する技術者とのこと。すでに製茶された茶葉を機械で50グラムずつ袋詰めにしていたり、更にその小袋を箱に詰めたりしている場所を見学。機械化が進んでいて人が少ないなという印象。続いて、直ぐ後ろの建物へ。入り口には大きな白い袋が10近く無造作に並んでいる。のぞいてみると、お茶が詰まっている。よく見れば、タグもついていて4月12日に摘んだ茶葉のようだ。それって、今日のこと。すご~い!摘みたての茶葉が何気なく目の前にあるなんて。なんとなくウキウキしてくる。この建物に足を踏み入れると、ふわっとお茶の香りが漂って来た。なんとなく懐かしいお茶の香り。ウーロン茶でもジャスミン茶でもない緑茶の香り。香りに誘われるように2階に上がっていくと学校のように廊下を挟んで両側に教室のような部屋が並ぶ。茶葉からゴミや枝などを取り除く工程の部屋だったり、茶葉を乾燥させる部屋だったり、ふるいにかけて粉のような茶葉を落としたりする部屋とお茶が製品になる前の仕上げの段階のようだ。ここは、機械は一切使わず全て人が静かに黙々と作業していることが印象的だった。

 次に30分ほどバスで移動。10分ほど過ぎると周りの景色は市街地から郊外へと変わる。

 いつの間にかバスは山と山の間を進んでいる。その山には下から上まできれいに茶の木が植えられている。そして、その緑色の中に、ポッツ、ポッツと見えているのは茶摘みをしている人。なんだか微笑ましい光景に見える。改めてお茶の産地に来たことを確認する。そして到着したのは、溮河港という場所にある文新郝家冲茶園。茶園やショールーム、売店、レストランなどが一体化している。先ず、カートに乗り換えて茶畑へ。ジェットコースターなみの急な斜面を登って標高200~300メートルの小山の長城に到着。大きな石碑が立っていて「信陽毛尖発祥の地」と書いてある。ここから周りを見渡すと360度、山の下から上まで、お茶の木が植えられている。4月4日の二十四節気の清明節から4月20日の穀雨の時期がお茶の最盛期。今がちょうどその時と言うこともあり、ここでも緑の山のあちこちで茶摘みをしている姿が見える。私にとってお茶の産地=経済的に豊かな場所というイメージだ。実際、龍井茶で有名な浙江省杭州市龍井村を訪れた時は、各お茶農家に高級車が1台、2台と停まっていて驚いたことがある。しかし、ここ河南省は古代文明発祥の地で人口も多い地域であるが、貧困撲滅が喫緊の課題になっている場所でもある。この茶園のオーナー劉文新さんは、お茶を産業化することでこの地域の人の雇用が生まれ豊かになりつつあると胸を張って話してくれた。茶畑を見学したあと文新郝家冲茶園の一角に移動する。ここには、信陽毛尖などのお茶を売る売店やレストランもあるゲストハウスのような建物などが並ぶ。案内された茶芸館エリアで茶芸のパフォーマンスを見る。茶芸とはお茶を煎れる一連の動作をショーアップしたもの。ウーロン茶では紫砂の急須を使い、お酒のお猪口のような杯にお茶を煎れていく動作=茶芸を何回か見たことがある。緑茶での茶芸は、今回初めて見るので、興味津々。緑茶、特にこの新茶の時期の茶葉の色は美しい。緑色というだけではもったいないような浅黄のような鶯色のような若緑のような色だ。その色を存分に楽しんでもらおうということだろう。あえて陶磁器の急須は使わず蓋碗と呼ばれる茶托と蓋が付いた大きめの茶碗で煎れる。しかもお茶を飲む杯も含めて全てガラス製。優雅な音楽が流れる中、2人の女性が信陽毛尖を煎れていく。ショーアップされているので、ちょっと無駄な動作もあるかな…と思う場面もあるが、そんな流れるような手の動きもお茶の味の内。茶芸で煎れてもらったお茶を美味しくいただく。

 中国茶というとジャスミン茶やウーロン茶、鉄観音茶が思い浮かぶと思うが、生産量、栽培エリアともにダントツなのが緑茶だ。浙江省の龍井茶は清の時代の皇帝が植えた茶木が残っていたり、江蘇省の碧螺春は若者の悲しい物語があったり、安徽省の黄山毛峰は、その黄山が世界遺産だったりして、日本の中国茶ファンには知られている。この信陽毛尖の特徴は味にあると思う。比較的日本の緑茶に近く、日本人にとっては飲みやすい。課題は、知名度を高めること。茶農家が単体で頑張るのではなく、この文新郝家冲茶園のように製茶だけでなく、お茶をキーワードに観光や文化に、点から線、そして面へと広げていくべく、この地域の人が奮闘努力している様子が伝わった。

 午後の取材日記につづく。

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