会員登録

4月12日(火) 取材日記②

2016-04-15 17:07:41     cri    

 お茶をテーマにしたこの日の取材、午後は製茶過程を見学する。先ず1軒目のお茶農家を訪問。建物に入ると無造作に茶葉が置かれている。ふわ~っとお茶の香りが漂う。

 この日の午前中に摘んだばかりのものだと言う。触ってみると、薄絹のように柔らかい。こっそり小さな葉を口に入れて噛んでみる。あまりに柔らかくて歯ごたえはないのだけれど、噛んでいくうちに抹茶の味が口の中に広がる。少しの苦みを感じるけれど、それも顔をしかめる程ではない。


学校の教室半分ぐらいの広さの作業場で茶葉の選別


殺青という茶葉の緑色を留めるために熱を加える工程


形を整えお茶の出をよくするための工程、揉捻=茶葉を揉む

 ここまでの作業を行うとのこと。全て機械を導入しているが、オートメーションという感じではなく、半分は人の手が必要だ。半機械化と言ったところか。緑茶はこの後、茶葉を乾燥させて製茶過程が終了する。ここでは、乾燥の工程はやっていなかった。お茶好きの私にとっては、摘まれたばかりの茶葉に囲まれ、製茶工程を見られるなんて極上の時間。でも、優雅にそれを味わう暇もなく慌ただしくショートムービーを撮影する。機械が動いているので、レポートする声が上手く収録されない。モンゴル語部は、ワイヤレスマイクを使ってレポートを収録している。いつもと違う出張取材に出ると、課題も多く見つかるし、他のセクションとの合同取材で解決のヒントも見つかる。

 このお茶農家から車で10分もしないもう1軒のお茶農家も取材する。間口は2軒ほど。

 中の広さは先ほどより若干狭い。

 製茶工程は、ほぼ同じだが殺青の工程が少し違った。先ほどはドラムに茶葉を入れ熱しながら回転していたが、こちらは大きめの金属の臼のようなものに茶葉を入れ庭箒のようなものを機械で動かしてかき混ぜている。

 更にここには製茶の最終過程の乾燥機もあった。

 この空間だけで、製茶のすべての過程が完結できる。そして、ここでは製茶したばかりのお茶を売ってくれると言う。100gで160元=約2700円。産直だから、同じお茶を北京のお茶屋さんで買うよりは、かなり安いが普段100g100元前後のお茶を飲んでいる私からするとけっこういいお値段だけど、今は二十四節気の清明を過ぎ穀雨の前で、お茶が番おいしく貴重な時期に現地で入手できるのは、なんとも幸せ。

 そして、この日最後の取材になるのが広義印象園というお茶の企業。案内された製茶場は広々している。会社のオーナーでもある李広義さんは、無形文化遺産継承者でもある。

 個人的な茶農家から初めて、後に今のように企業化。地元の指導者の方針がきっかけだという。現在では100人の従業員を抱える企業のトップだ。目標はお茶で故郷の人々が豊かになること。河南省は、古代文明発祥の地でもあるが、貧困省でもあることを思い出させた。

 李広義さんの80歳を超えたお父さんは茶業一筋60余年。

 今と昔で変わったことは、機械化が進んだことと嬉しそうに答えてくれた。手元を見ると

 深い皺いが刻まれてはいるが、優しく温かい手だった。

 

 本当の苦労人は多くを語らないが、その存在自体が多くを伝えてくれるような気がする。

 この場所での製茶工程の特徴は、これ。

 掃除用の箒ではなく、殺青に用いる道具。他の場所は、これを機械でやっていたが、ここは人が茶葉をかき混ぜて殺青している。

 二段階に殺青をしていて、荒い殺青が終わると隣の釜に茶葉が移され人の手で殺青が続く。

 釜を触らせてもらったら、かなり熱かった。比較的広い空間だがここでは、扇風機が必須品のようだ。

 そして、ここはこんな風に茶葉を乾燥させていた。

 

 ざるの盛り上がった部分の下には炭が入っていて、炭の火力で乾燥させている。全体的に

 手作業が多い印象だ。

 中国の緑茶の産地をいろいろ訪ねたけれど、今回のようにタイミングよく新茶の製茶過程を最初から最後まで見たのは初めてで予想外の収穫だった。更に、予想外で私を喜ばせたのは、紅茶の製茶過程を見せてくれたこと。紅茶は、緑茶と違って殺青という工程はなく萎凋という、少し乱暴な言い方をすると茶葉をしおれさせる工程から始まる。

 このように茶葉を放置すると、緑色だった茶葉は赤茶色になっていく。

 この茶葉は萎凋が始まったばかりのようだが、10時間ほど放置する。その後、

 右側の機械で揉捻した後に発酵という過程に移る。納豆やヨーグルトの発酵とは

 ちょっと違うのだけれど、この工程を経て紅茶独特の色と香りがでる。発酵室にも

 入ることができた。

 じめじめ蒸し暑い部屋だったが、今まで資料でしか知らなかった紅茶の製茶過程を

 目の前で見ることができて感激した。

 充分、満足したがこの後は茶摘みもさせてくれると言う。茶畑に出かけてみると

 体験用の茶畑のようだった。

 お茶の木に混ざって高く伸びている木は金木犀で、香りのよい花をつける木を近くに

 植えると土壌を通して、お茶にいい香りをプラスしてくれるそうだ。一芯一葉の芽を

 探して摘んでみる。

 5枚ほど摘んだ茶葉は、嬉しくってノートに挟んで持ち帰った。茶摘みをする人は、一日に

 2㎏以上を摘むそうだ。何事もプロは違うなぁと感心した。

 まさにお茶三昧の1日が終わった。明日も、お茶の取材はつづく。

関連ニュース
関連内容
v 4月12日(火) 取材日記① 2016-04-14 11:30:23
写真トピックス
コメント
今週の番組
今日熱点
快楽学唱中文歌
特集ダイジェスト
LINKS