1時間目：世界無形文化遺産～中国最古の楽器・琴～

　中国の歴史上、一番古い楽器は、「琴」です。琴は、昔、焦尾、緑綺、糸桐などの別名もありました。琴に関する最も古い記載は『詩経』にあり、「窈窕淑女、琴瑟友之（美しくたおやかな乙女は、琴を弾いて友と親しむ）」「我有嘉賓、鼓瑟鼓琴（賓客を招き、瑟を鼓し琴を弾いてもてなす）」と詠まれています。今日は、この中国最古の楽器「琴」を紹介します。

　「琴」は、1972年、湖南省の長沙の馬王堆という前漢時代のお墓の中で、その後1978年には同じく湖南省の随州市の戦国時代のお墓、曾侯乙墓の中でそれぞれ発見されました。

　2003年11月7日、中国の琴はユネスコの「人類の口承及び無形遺産」のリストに登録されました。つまり、「世界無形文化遺産」となったのです。その理由は、中国のもっとも古い楽器というだけでなく、異なる時期に作られた曲が3000曲余り伝わっていることや、記録方法の独特な楽譜、数え切れない理論やさまざまな流派があるからです。

　唐代以後、琴は次第に周辺の国々へも伝わっていきました。唐の皇帝は琴を日本に贈り、友好を示したそうです。唐の時代の735年製作とされた「金銀平文琴」は、現在も日本の奈良東大寺正倉院に国宝として収蔵されています。

　皆さん、古い文化財、世界無形文化遺産の琴に興味を持たれたら是非、湖南省の省都・長沙、そして随州にお越しください。

　2時間目：湖南省長沙の観光とグルメ＋中国ミニ辞典

　2時間目は、湖南省の省都長沙の有名な観光スポット、古い町並みの「太平街」、そして青年時代の毛沢東とゆかりのある「橘子洲頭」を紹介します。地元のグルメとして、有名な毛氏紅焼肉（豚肉の角煮）と刴椒魚頭（蒸し魚）を取り上げます。本来、醤油と砂糖で煮込んだものが紅焼肉ですが、毛氏紅焼肉には醤油が使われません。では、どうやって豚肉を美味しそうな飴色に仕上げるのでしょうか。答えは番組で。

　そして、「中国ミニ辞典」のコーナーでは、JALPAK中国事務所の張珊珊副総経理が、山東省を紹介します。「見に来てね！」の中国ミニ辞典、お楽しみに！（まとめ：任春生）