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5月9日 金曜日

2014-05-09 16:51:21     cri    


 一時間目は、世界文化遺産に登録された北京の天壇公園をご紹介します。

         世界遺産めぐり、北京の天壇公園

 天壇は昔、天を祭った場所です。人々は天に祈願することができますが、天を祭るのは天子だけの特権でした。現存する祭天台は、最古のもので6000年の歴史をほこります。2000年以上前に編まれた礼書の「周礼」には、祭天の儀礼制度が示されています。こうした祭天活動は、封建社会では一貫して行われていました。儀礼制度が整うにつれ、祭天用の建築物もしだいに規模を拡大したのです。

 天壇は、明朝に建設されました。はじめは「天地壇」と呼ばれたとおり、天と地を一緒に祭りました。明の時代、1530年には、別の地に「方沢壇」(今の地壇)を建築し、天と地を分けて祭るようになったのです。

 清の乾隆帝の時代(1736~1850年)になると、増改築が進みました。天壇は明・清代の皇帝が、天を祭って豊穣を祈る場として造られました。建設されてから数百年の間、二十数人の皇帝が、盛大な祭典儀式を行ったということです。

 1918年、天壇は公園として一般市民にも開放されました。現在は世界的にも有名な観光スポットとなっています。外国人にとっては中国のシンボルであり、中国人にとっては北京のシンボルとなっています。

 1998年2月、第22回世界遺産委員会全体会議で、北京の天壇が「世界文化遺産リスト」に正式に登録されました。

 天壇は面積がきわめて広く、北京にある「壇」建築(日壇、月壇、地壇、社稷壇、先農壇)の中で最たるものです。敷地は273ヘクタール、紫禁城の3倍を超えます。鳥瞰すれば、建物は「回」という字の形に配されています。内外の2つの壁が敷地を囲み、外壇(外壁)の長さは6416メートル、内壇(内壁)の長さは3292メートル。外壇の門は当初、皇帝が祭祀の日に出入りした正門(西門)だけでした。また、内壇には始めから、東西南北に置かれた四大門の「天門」がありました。

 天壇の壁は北側が半円形、南側が方形です。これは、古代中国の天は丸く、地は四角いという宇宙観を表しています。

 内壇の内側は、南北二つの部分に分かれます。北部は、紺色の瑠璃瓦に金色の玉をもつ円形の殿堂・祈年殿、それと祈谷壇(祈年壇の土台の部分)を主とする建築群。旧正月に豊穣を祈る祭礼に使われた場所です。南部は、大理石で築かれた祭天台・圜丘壇を主とする建築群。夏至には雨を乞い、冬至には天を祭る行事に使われました。

 石板を敷いた大道の丹陛橋は、南北を貫いています。南部と北部の建築群を結びつけたものです。天壇の中軸線で、ここに置かれた圜丘壇、祈年殿などの建築物は、壮観です。

 西部には、皇帝が祭祀の前に斎戒沐浴する神殿・斎宮があります。東部には、祭祀の道具を納める場所と神への供え物である家畜をしめる場所があります。また、西側の外壇内には神楽署があり、祭祀の音楽や舞踊を稽古する場所になっています。

 天壇の主な建物は、敷地の20分の1を占め、バランスよく立ち並んでいます。象徴的な意味をもつ建築物を組み合わせ、古代人の「天」への理解を表しています。たとえば、「天圓地方」「天は陽をなし、地は陰をなす」「天人合一」などの観念です。

 中国は、伝統的な農業国です。厳しい気候の影響もあり、豊作祈願は重要な行事となっています。中国には古くから、「民は食をもって天をなす」という言い方があります。そのため、天壇の中心的な建物を「祈年殿」と名づけたのです。「年」とは「稔」(実る)のことであり、豊年・豊作の意味です。

 祈年殿は、金色の玉を持ち、軒先に連なる屋根は瑠璃瓦に覆われています。高さは、九丈九尺(31.68メートル)です。それは「天が丸い」を意味するだけでなく、「9」を最高とする「天数」のきわみを意味するのです。

 圜丘壇の円形の壇も、九重からなる石板が敷かれます。中央から扇状に広がる石板の数も「9」の倍数。それも「天に九重の城がある」という言い伝えによるものです。

 先ほどご紹介した丹陛橋は、全長360メートル。南が低く、北が高い。天庭(天の皇帝の宮廷)までの道が遠いので、一歩一歩登っていくことを示しています。また、東門の手前には、「七星石」と呼ばれる7つの石が配されています。これは、天体の現象を表しています。

 天壇の建築は、古代中国人の豊かなイマジネーションと創造力を表しています。建築と芸術、当時の学問の成果を調和させ、人類の知恵を示したものです。

 天壇は市の南東部に位置し、古い北京の面影を残した公園です。早朝ともなると、体を鍛える市民で賑わっています。その中では、園内にある6万本の木々だけが、にぎやかだった祭天当時の様子を思い起こしているのかもしれません。

 皆さん、北京を訪れたら、紫禁城や万里の長城などを見学した後、世界遺産の天壇公園にも足を伸ばしてくださいね。

 二時間目 天壇公園近くの観光地と北京のジャージャー麺

 二時間目は、天壇公園のアクセス方法、入場料などの関連情報をご紹介します。その後、天壇公園近くの有名なショッピングセンター・紅橋市場(ここは、中国各地の真珠が販売されていることで有名だ)をご紹介します。さらに、北京の代表な庶民料理・ジャージャー麺(その作り方や食べ方など)をご紹介します。ぜひお聞きください。(任春生)

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