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4月4日 金曜日番組の紹介

2014-04-04 18:17:21     cri    


一時間目は、世界文化遺産に登録されたチベットのポタラ宮をご紹介します。      

世界文化遺産、チベットのポタラ宮

 チベット自治区は、中国西南部の辺境に位置する5つの自治区のひとつです。総面積は、国土面積の8分の1にあたる122万8400平方キロ。平均海抜が4000メートル以上あることから「世界の屋根」と呼ばれています。旅行者や探検家たちが、理想郷として恋こがれる場所でもあります。

 ラサ市にそそり立つポタラ宮は、チベット仏教文化の中心的な存在で、敬虔なチベット仏教徒や、世界各地の参拝者の聖地です。彼らの多くが、何年もかけて五体投地(三歩進んでは全身を地面に投げ出し、合掌する仏教徒の最高の礼法)を繰りかえし、ポタラ宮参りのためにはるばるやってくるのです。夜明け前には、ポタラ宮の周りを参拝する人の波が、途絶えることはありません。 ポタラ宮は1994年12月17日、ユネスコの「世界文化遺産」に登録されました。

 ポタラ宮は、ラサ市の中心にある紅山(マルポ・リ)の上に、南向きにそびえ立っています。頂上の金殿からは、ラサ市内が一望できます。重厚なつくりの正門を押し開けると、酥油灯(ヤクの乳を煮つめた油の明かり)の中で、煙と油が入り混じった濃厚なにおいがツンと鼻をつきます。

 あたりを見わたすと、宮殿はチベット仏教特有の荘厳な雰囲気に包まれています。信徒たちが、マニ車(経文を入れた円筒)を回す手を休めることなく、ポタラ宮の周りを歩きつづけています。それはまるで、天をおがむかのような神聖な行為です。

 ポタラ宮の造営は、633年に始まります。当時すでにチベット高原の各部族を領有し、統一王国、吐蕃を樹立したソンツェンガンポ王は、都をラサに定め、紅山の頂に壮大な城塞を建てました。これが最初のポタラ宮です。

 641年、ソンツェンガンポ王は、唐の皇帝太宗の王女・文成姫を妃に迎えるにあたり、当初の宮殿と合わせて千室をそなえた九階建ての城塞を建てました。周囲を三重の城壁で囲み、南の薬王山(チャポリ山)と西の紅山を自然の要塞としました。

 その後、ポタラ宮が再建されたのは17世紀、五世ダライ・ラマの時でした。1645年、五世ダライ・ラマが政務と宗教を執り、執政官ソナム・ロテンが紅山の遺跡の規模を拡大した白宮を主とする宮殿建設をとりしきったのです。1653年に再建されたポタラ宮は、このときから、歴代ダライ・ラマの住居兼チベットの政治・宗教の中心地となりはじめたのです。

 1682年、5世ダライ・ラマがポタラ宮で円寂しました。1690年2月、執政官サンゲギャンツォは、五世ダライ・ラマの霊塔と霊廟の工事をとりしきり、同時に紅宮の拡張建設を始めました。史料によると、各地から集められた職人と人夫は5700人余り。絵画や彫刻、石造、鋳造、鍛冶、金・銅細工、象眼、縫製、紡績、建築などの職人1760人、また清の康熙帝が派遣した漢民族の職人は114人。隣国ネパールからも職人たちがやってきたということです。

 この一大プロジェクトには毎日7700人余りが動員され、白銀213万4138両が投入され、工事は1693年4月に終わり、盛大な完成式典が執り行われました。

 ポタラ宮は、石材、木材を用いて山に沿ってできた建築で、高さ119メートル、東西の長さ350メートル、南北の幅270メートル。最も高い建築部分(殿堂)の標高が3700メートル。世界一の高さをほこる古代宮殿です。

 建築面積は13万平方メートル。陸屋根の高層建築が、複雑に入り組んでいます。宮殿、霊廟、仏殿、経堂などのほか、住居と要塞の用途をあわせもつ、チベットの伝統的な建築様式が施されました。また、漢民族の職人がデザインや施工にかかわったため、梁柱の彫刻や、とがた(柱の上に設けられ、棟木を受けるための方形または長方形の木)、天井の装飾など、漢民族の伝統様式も用いられました。一部にはネパールの建築様式も取り入れられたといいます。

 宮の頂には、金メッキの銅制瓦の六つの金殿、金塔などがあり、金殿の屋根の先には神獣の像や金メッキの共命鳥などが施されています。また金色の経幢(六角形または円形の石柱に仏号や経文を刻んだもの)が一列に並び、陽光を受けて、燦然と光り輝いています。

 ポタラ宮の中心部分は、白宮と紅宮です。外から見ると、白壁部分が白宮で、赤壁部分が紅宮であることがわかります。壁には花崗岩が用いられ、花崗岩は最も厚い部分で5メートル。石壁の基礎は岩盤に至り、壁の中には部分的に鉄が注入されて、建物全体の耐震性が高められています。

 白宮両翼の建築物は、歴代ダライの住居や経堂、執政の場です。歴史的な資料によれば、宮内の壁画は、1648年5月に63人の絵職人が描きはじめ、十数年もの歳月をかけてようやく完成したものです。

 紅宮は、ポタラ宮の中央に位置します。主に歴代ダライ・ラマの霊廟や仏殿で、様々な仏事が行われた場所です。ここには霊塔が八基建てられています。とくに5世と13世の霊塔が最大で、塔の高さは14メートル以上。史料によると、13世の霊塔には金1万8千両余りが、5世の霊塔には金11万両がそれぞれ使われました。霊塔に象眼された各種の宝石は、使われた金の十倍以上の値打ちがあるということです。

 さらにポタラ宮には、数万点にものぼる彫刻、塑像、タンカ(仏像絵画)、経典、壁画、仏塔、仏具など貴重な文物が保存されています。まさに、チベット仏教の文化と芸術の宝庫であると言われるゆえんです。

 皆さん、世界の屋根に行きたいならば、是非迷わず、時間を作って、チベットのポタラ宮を訪れてくださいね。

2時間目のタイトル:チベットのほかの有名な観光地とグルメ

 二時間目は、ラサの場所、交通アクセスなどをご紹介します。その後、ラサの有名な観光スポットであるジョカン寺やノルブリンカ、ナムツォ(高原の湖)をご紹介します。さらに、チベットの代表な食べ物のツァンパと飲み物のバター茶などをご紹介します。ぜひお聞きください。(任春生)

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