会員登録

4月11日 金曜日番組の紹介

2014-04-11 21:23:36     cri    


 一時間目 世界文化遺産、北京原人遺跡・周口店

 周口店は、北京の中心部から南西へ約50キロ、燕山の支脈と河北省の平原が繋がる地点にある1つの村です。

 1914年、スウェーデンの地質学者・アンダーソンは、鉱業顧問として中国にやってきました。周口店に化石があると知った彼は、ここで発掘作業を始めました。1921年から1923年の間、数多くの動物の化石を発掘し、スウェーデンへ持ち帰って整理や補修を行いました。1926年に、持ち帰った化石を整理しているうちに、ヒトの奥歯の化石を見つけました。この発見により周口店は一躍、世界の人類学研究者から注目を集めました。

 当時の北京協和医学院の解剖学部主任であったカナダ人の人類学者・ブラックは1927年、周口店から再びヒトの奥歯を発掘し、その新発見の人種を(中国猿人北京種、北京原人)と命名。これにより、世界の考古学界に「北京原人」の名が知れ渡ったのです。

 1929年12月2日、それは特別な1日となりました。中国の若き考古学者・裴文中が率いる発掘グループは、周口店で、2年前に発掘された地層をさらに掘り進めていました。午後4時すぎ、予期せぬ大きな発見がありました。北京原人のほぼ完全な頭蓋骨化石が、硬い土の中から現れたのです。

 北京原人の脳頭蓋は低く平らで、頭蓋骨は9.7ミリと現代人より2倍ほど厚く、頭蓋容積は約1075ミリリットルと、現代人の平均容積の80%に相当しました。その結果、北京原人は「サルからヒトにいたる」過程に位置し、より現代人に近い性質を持つことが明らかになりました。周口店は、世界における生物進化論の「一里塚」となったのです。

 半世紀以上もの間、考古学関係者は周口店の北京原人遺跡で、たえず発掘を続けてきました。彼らは、40メートルほどの厚さの灰と燃えさしからなる地層を深く掘り進めました。

 現在までに発見されたのは、原人のほぼ完全な頭蓋骨6、頭蓋骨の破片12、下顎骨15、歯157、大腿骨の断片7、脛骨1。これら北京原人の化石は、約40体もの老若男女に分類されました。

 専門家たちは出土した骨格化石を研究し、次のような結論を出した。北京原人が生息したのは今から約50万年前で、直立猿人に属します。手足の骨は頭骨より進歩しており、現代人と似ていますが、脳頭蓋が低く、前後方向に長いなど頭蓋骨に多くの原始性を残しているなど。推定によれば、北京原人の男性の身長は約156センチ、女性の身長は約144センチ。古人類学者によれば、彼らの寿命は短く、その68.2%が14歳以前に死亡。50歳まで生きられたのは、わずか4.5%でした。

 周口店遺跡の洞穴の中には、さらに5カ所の灰と燃えさしの地層と3カ所の灰の堆積物、焼かれた骨が数多く発見されました。この地層の厚さは最大で6メートル。そこからは、北京原人が火を利用したばかりか、火種を保存していた事実がうかがえます。火を使い、その保存方法を学んでいたのは、人類が動物から文明世界に入る重要な「目じるし」です。北京原人遺跡で、火を利用していたという発見は、人類の歴史をさらに数十万年繰り上げたのです。

北京原人の化石が出土した「猿人洞」の山頂近くに「山頂洞」といわれる洞穴があります。1933年に、ここで「山頂洞人」の化石が発見されました。1935年から、著名な古人類学者・賈蘭坡の指揮により、ここからヒトのかなり完全な頭蓋骨3個と、骨盤、大腿骨などが前後して発見されました。

 山頂洞人が生息したのは、今から2万7000年前です。現生人類に属し、体質の特徴は、基本的に現代人と同じと考えられています。頭蓋容積は約1300~1500ミリリットルと、まさに現代人の平均容積の範囲内にあたります。男性の身長は約174センチ、女性の身長は約159センチで、現代人に相当する高さです。

 残念なことに、1937年前に発掘された頭蓋骨5個が行方不明になったのです。これらの頭蓋骨は、北京協和医学院に保存されていましたが、当時、旧日本軍がまもなく北京に攻め込むと見られ、これらの貴重な化石が日本侵略軍に持ち去られないよう、アメリカへ輸送して、一時保存する計画がありました。1941年12月8日、太平洋戦争勃発、日本軍はただちに北京や天津にあるアメリカの関係機関を占領しました。そうした混乱期に、原人の化石が行方不明になったのです。

 しかし、1966年、裴文中氏の発掘チームが周口店遺跡で再度発掘を行いました。結果としては、原人の頭蓋骨破片2、歯1、石器173、数多くの動物化石が発見されました。

 1966年に発掘された頭蓋骨の破片と、1934年、1936年にそれぞれ発見された2つの頭蓋骨破片が、ほぼ完全な1つの頭蓋骨に組み合わされたことになりました。それらは、同じヒトに属していたという事実が明らかになりました。これこそが、中国に現存する唯一の北京原人の頭蓋骨です。1987年、北京原人遺跡・周口店は、世界遺産に登録されました。北京原人の頭蓋骨は、きわめて貴重であったため、発見後、一般に公開されたことはありませんでした。しかし、発掘後、37年がたった2003年9月21日から10月7日まで、周口店北京原人遺跡博物館で、国内で初公開されました。

 皆さん、人類の起源に興味があれば、是非、東アジア文明のあけぼのとなった北京原人遺跡・周口店をお訪ねくださいね。

 二時間目 周口店周辺の有名な観光地と北京のグルメ

  周口店のある北京房山区の地理情報、交通アクセスなどをご紹介します。その後、房山区の有名な観光スポットである石花洞(鍾乳洞)と十渡(リゾート地)をご紹介します。さらに、北京の代表な料理の北京ダックの歴史とその流派などをご紹介します。ぜひお聞きください。(任春生)

関連ニュース
写真トピックス
コメント
今週の番組
今日熱点
快楽学唱中文歌
特集ダイジェスト
LINKS