瀋撫新都市の建設地を一通り回った後、私たちが訪れたのは「雷鋒記念館」です。雷鋒はここ撫順で執務中に不慮の事故にあい、その生涯を閉じたことから、この撫順市に遺体が埋葬され、その傍らに記念館が建てられています。
「雷鋒」は中国人民解放軍の模範兵士として、中国では10年ほど前まで「雷鋒を手本にしよう(原題:学習雷鋒的好榜様)」という歌を知らない人はいないほどでした。
日本人にはやや馴染みの薄い名前ですが、雷鋒は湖南省の貧しい家に生まれ、その後5歳になる前に家族を亡くし、孤児として生きつつも中国社会に大きな功績を残した人間として称えれています。
雷鋒の功績とは一体、何だったのでしょう?
雷鋒は僅か22歳で殉職していますが、その短い生涯の中で常に倹約と人助け、社会貢献を第一として生きていました。
雷鋒の記念碑=撮影:万兵 |
その心意気に心を動かされた解放軍は、とうとう彼を解放軍の兵士として迎えることにしました。
その後の彼の活躍は、記念館に展示された数々の写真や文書で知ることができます。
写真に写る雷鋒はどれもあどけない少年の顔でした。最も印象的だったのは、どの写真も彼を描いた絵画の中でも彼が笑っていることです。
遼寧省を訪れる際には、是非撫順で彼の笑顔に出会ってほしい、そう私が思うのは、自分の生きる道を確固として定めた一人の少年の写真を通じて見る笑顔にきっと、誰もが何かしらの力をもらえるのではないかと思うからです。
そして、22歳の少年が書いたとは思えないほど哲学に溢れた雷鋒の日記の数々。国や歴史的背景は異なりますが、そこには現代社会に生きる私たちが忘れがちな純粋さと信念が今でも生きているのです。
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